講演情報

[O12-05]ミクロからマクロの視点へ:地域アセスメント・課題の可視化に向けた汎用ツールによる情報構造化の試み

*桐林 亜希子1、木下 公大1、五味田 福子2、荻野 哲2、江﨑 咲子2、竹内 由紀2 (1. 河北医療財団多摩事業部 地域づくり推進室 第一層生活支援コーディネーター、2. 多摩市役所 高齢支援課)
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キーワード:

多職種・多機関連携、地域アセスメント、生活支援コーディネーター

【はじめに】
地域包括ケアシステムや健康寿命延伸の推進で、生活支援コーディネーター(以下、SC)には地域をマクロに捉え、多分野の情報を統合するアセスメント能力が求められる。しかし、SC交代時に地域分析データや課題の背景や取組の目的が十分に引き継がれず、活動が属人化・形骸化しやすいという課題がある。筆者らが(理学療法士、社会福祉士・主任介護支援専門員成)着任した際も、引き継ぎ不足により活動目的が曖昧な状況に直面した。そこで専用システムではなく汎用的なExcelを用い、自地域に最適化したアセスメント情報のプロトタイプを構築・構造化し地域情報を整理と、課題別プロセス管理を行う事で、持続可能な地域づくり基盤の確立を目指した。
【実践内容】
情報の孤立を防ぎ、根拠から解決策まで一連で把握できるよう、Excelによる情報共有システムを構築しクラウド上で共有した。主な構成は以下の通りである。
①基盤データの可視化:地域包括支援センターの記録から課題抽出するシート、丁目別人口統計データを比較するシートを作成し、客観的根拠に基づく整理を可能とした。
②地域情報の構造化:自治会等ヒアリングに専門職の考察を合わせた「地域カルテ」、地域資源詳細や困り事等を整理する「地域資源把握シート」、企業の強みや関わりを記録する「企業連携カルテ」を作成した。
③課題整理と解決策の連動:「地域課題・ニーズ整理シート」でリスト化し、深掘りする課題は圏域別地域ケア会議の前段階の「地域課題調整会議1シート」で根拠整理と進捗管理を行った。運用の定着のため、毎月のSC定例会でこれら共有シートを用いた報告・質疑を行い、関係者が同じデータ・プロセスで議論できるよう仕組み化した。
【成果や課題】
本システムにより、多機関が客観的根拠に基づいて検討が可能となり、課題別に記録を行う事で、目的・根拠・取組が一体化し、形骸化や議論の堂々巡りを回避し、課題の現在地を確認しながら議論を前進させる効果を得た。一方、今年度SC交代時には、システムの構造や背景にある意図を継承が難しいことが明らかになった。また、活用には個人差もあり、均質な運用体制の構築が今後の課題である。
【今後の展望】
汎用ツールを用いた地域アセスメント情報や課題別統合シートの構造化は、根拠に基づく課題整理や多機関連携を円滑にし、限られた人材で取り組みを推進する上で有効である。今後は運用の均質化と、新任職員へ浸透を含むソフト面も仕組み化を進め、持続可能な地域マネジメント体制の確立を図る。
【倫理的配慮、説明と同意】
本報告は個人特定しない実践報告であり、所属組織の規定により倫理審査は不要である。発表は関係機関・行政の承認を得ている。

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