ご挨拶
2026年度日本芝草学会秋季大会 運営委員長挨拶
大会テーマ:遺跡・埋蔵文化財の保存活用と芝生
ご挨拶
大阪での秋季大会開催は2017年以来のこと、皆様を9年ぶりに難波(なにわ)の地にお迎えすることになりました。
難波は、飛鳥、奈良の時代には、港(難波津)が置かれ、遣隋使、遣唐使などの発着地となり、大陸文化の古代日本への玄関口となった地域であり、難波を含む畿内五国には古代日本の発祥の地として数多くの遺跡・埋蔵文化財が残されています。そしてこれらの歴史的資産を単に保存するだけではなく、その魅力を広く伝えるため、公開・活用の推進が積極的に行われています。世界遺産登録はその手法の一つと言えるでしょう。
2019年に世界遺産登録となった百舌鳥・古市古墳群は、古墳時代の最盛期であった4世紀後半から5世紀後半にかけて築造された、古代日本列島の王たちの墓群です。続く飛鳥時代は、統一国家としての日本が形成されていく時代であり、都となった飛鳥・藤原宮都の世界遺産登録が決定されたのは、まだ耳新しい本年7月のことです。
難波に残る難波宮跡、大和に残る平城宮跡、藤原宮跡、飛鳥に残るキトラ古墳、高松塚古墳、古代を偲ぶ遺跡を挙げれば枚挙にいとまがありませんが、ここに挙げた史跡には共通点があります。それは、これらの史跡が、芝生あるいは芝型の草原に覆われているということです。
埋蔵文化財の多くは発掘調査を終えた後、埋め戻し保護されます。また存在が分かりながらも、いまだ発掘の機会を得ないものも多数あります。このような場所には、地下に影響を及ぼす構造物の設置ができません。また古墳の多くは長い年月の経過が植生の発達をもたらし樹林に覆われていますが、発掘調査が行われた古墳のいくつかは建設当時の形状が目に見えるように芝生で被覆がなされています。
古墳・埋蔵文化財包蔵地に利用される芝の形状は、日本庭園のそれのように審美的なものではなく、ゴルフコースやサッカースタジアムのそれのように機能美を追求したものでもありません。古墳・史跡に必要とされる芝とはどのようなものでしょうか。私は、芝が遺跡・埋蔵文化財の保存活用に少なからず貢献できると考えています。本大会が芝の新しい効用、新しい利用の可能性を考える切っ掛けとなることを願っております。
2026年9月1日
2026年度日本芝草学会秋季大会
運営委員長 藤原 宣夫(大阪公立大学 名誉教授)
お問い合わせ
日本芝草学会2026年秋季大会運営委員会事務局(運営委員長 藤原 宣夫)
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