講演情報
[O-10-03]訪問リハビリテーションの中止理由別にみた利用者特性の検討
*伊佐 杉雄1、嘉陽 隼人1 (1. 牧港中央病院)
キーワード:
訪問リハビリテーション、中止理由、利用者特性
個人が特定されないよう匿名化を行い、当施設の倫理規定に基づいて実施した。
【目的】訪問リハビリテーションは在宅高齢者の生活機能維持に重要な役割を果たすが、中止に至る症例も少なくない。中止理由には医療的要因と社会的要因が存在し、それぞれ異なる背景が想定される。本研究の目的は、訪問リハビリテーション中止理由別に利用者特性(年齢、日常生活動作、介護度、主病名、性別、保険種別)の違いを明らかにすることである。
【方法】2024年5月から2026年2月までに訪問リハビリテーションを利用した45名を対象とした。対象期間中の利用者のうち、開始後3ヶ月未満で継続中であった1名は観察期間が不十分であるため除外し、最終的に44名を解析対象とした。対象者を医療的理由による中止群(15名)、社会的理由による中止群(16名)、継続群(13名)の3群に分類した。継続群は訪問リハビリテーション開始後3ヶ月以上利用し、観察期間終了時点において中止に至っていない者と定義した。なお、中止群には利用期間にかかわらず、観察期間中に中止となったすべての症例を含めた。解析項目は、年齢、Barthel Index(BI)、介護度(軽度/重度)、主病名(心疾患、呼吸器疾患、運動器疾患、脳血管疾患)、性別、保険種別、中止までの期間とした。なお、各項目は訪問リハビリテーション開始時の値を用いた。介護度は要支援1~要介護2を軽度、要介護3以上を重度として分類した。統計解析にはKruskal-Wallis検定、χ²検定、Fisherの正確確率検定を用い有意水準は5%とした。
【結果】各項目において群間で統計学的有意差は認められなかった。一方、記述的には、中止群は継続群と比較して年齢が高く、BIが高値を示していた。医療的理由による中止群では、重度の利用者および心疾患を主病とする割合が高い傾向がみられた。社会的理由による中止群では、軽度の利用者が多く、ADLが比較的保たれた段階で中止に至る例がみられた。性別は中止群において女性の割合が高く、医療保険利用者は全体として少数であった。中止までの平均期間は141日であった。
【考察】本研究では統計学的有意差は認められなかったものの、中止理由別に利用者特性の違いが示唆された。医療的理由による中止は、重症度や疾患特性の影響を受ける可能性があり、特に心疾患を有する利用者では、病状の変動や再入院などの医療的イベントが関与する可能性が考えられる。一方、社会的理由による中止は、比較的軽度でADLが保たれている段階においても生じており、生活環境や支援体制などの社会的要因が影響している可能性がある。リハビリテーションの継続には、自己効力感や動機づけ、社会的支援といった心理・社会的要因が関与することが報告されており、本研究においても、社会的理由による中止が軽度者に認められたことから、身体機能のみならずさまざまな要因が継続に影響している可能性が示唆された。これらの結果から、訪問リハビリテーションの継続には、身体機能のみならず、疾患特性や社会的背景を含めた包括的評価が重要である可能性が示唆された。本研究は単施設かつ少数例による検討であり、統計学的検出力に限界があるため、結果の一般化には注意を要する。今後は症例数を増やした検討が必要である。
【目的】訪問リハビリテーションは在宅高齢者の生活機能維持に重要な役割を果たすが、中止に至る症例も少なくない。中止理由には医療的要因と社会的要因が存在し、それぞれ異なる背景が想定される。本研究の目的は、訪問リハビリテーション中止理由別に利用者特性(年齢、日常生活動作、介護度、主病名、性別、保険種別)の違いを明らかにすることである。
【方法】2024年5月から2026年2月までに訪問リハビリテーションを利用した45名を対象とした。対象期間中の利用者のうち、開始後3ヶ月未満で継続中であった1名は観察期間が不十分であるため除外し、最終的に44名を解析対象とした。対象者を医療的理由による中止群(15名)、社会的理由による中止群(16名)、継続群(13名)の3群に分類した。継続群は訪問リハビリテーション開始後3ヶ月以上利用し、観察期間終了時点において中止に至っていない者と定義した。なお、中止群には利用期間にかかわらず、観察期間中に中止となったすべての症例を含めた。解析項目は、年齢、Barthel Index(BI)、介護度(軽度/重度)、主病名(心疾患、呼吸器疾患、運動器疾患、脳血管疾患)、性別、保険種別、中止までの期間とした。なお、各項目は訪問リハビリテーション開始時の値を用いた。介護度は要支援1~要介護2を軽度、要介護3以上を重度として分類した。統計解析にはKruskal-Wallis検定、χ²検定、Fisherの正確確率検定を用い有意水準は5%とした。
【結果】各項目において群間で統計学的有意差は認められなかった。一方、記述的には、中止群は継続群と比較して年齢が高く、BIが高値を示していた。医療的理由による中止群では、重度の利用者および心疾患を主病とする割合が高い傾向がみられた。社会的理由による中止群では、軽度の利用者が多く、ADLが比較的保たれた段階で中止に至る例がみられた。性別は中止群において女性の割合が高く、医療保険利用者は全体として少数であった。中止までの平均期間は141日であった。
【考察】本研究では統計学的有意差は認められなかったものの、中止理由別に利用者特性の違いが示唆された。医療的理由による中止は、重症度や疾患特性の影響を受ける可能性があり、特に心疾患を有する利用者では、病状の変動や再入院などの医療的イベントが関与する可能性が考えられる。一方、社会的理由による中止は、比較的軽度でADLが保たれている段階においても生じており、生活環境や支援体制などの社会的要因が影響している可能性がある。リハビリテーションの継続には、自己効力感や動機づけ、社会的支援といった心理・社会的要因が関与することが報告されており、本研究においても、社会的理由による中止が軽度者に認められたことから、身体機能のみならずさまざまな要因が継続に影響している可能性が示唆された。これらの結果から、訪問リハビリテーションの継続には、身体機能のみならず、疾患特性や社会的背景を含めた包括的評価が重要である可能性が示唆された。本研究は単施設かつ少数例による検討であり、統計学的検出力に限界があるため、結果の一般化には注意を要する。今後は症例数を増やした検討が必要である。
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