講演情報

[O-10-04]標準化集団体操と個別強度調整の併用が通所高齢者に与える影響
―身体・認知・バランス機能の多面的検証―

*宮越 貴裕1、宮田 真央1 (1. 社会福祉法人 スマイリング・パーク 働くデイサービスセンターほほえみの園)
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キーワード:

集団体操、フレイル、認知機能

研究目的を対象者および家族へ説明し同意を得た。個人情報は匿名化し、結果は統計的に処理した。研究は業務改善の範囲で実施し、倫理的配慮に留意した。

【目的】
通所介護において在宅生活の継続支援は重要課題であり、認知症およびフレイル進行がその阻害因子となる。集団体操は多面的効果が示唆されているが、身体・認知・バランス機能を統合的に評価した報告は少ない。本研究は、標準化された集団体操に個別強度調整を組み合わせた介入が、これら三側面に与える影響を検証し、在宅生活支援への臨床的意義を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は通所利用者13名(平均年齢86.7歳、女性11名)。握力低下(男性28kg未満、女性18kg未満)または認知機能低下(HDS-R20点以下)を認める者を対象とした。介入期間は2025年5月~12月。30分間の標準化集団体操(上肢・手指運動10分、下肢運動10分、歌唱を伴う二重課題運動10分)を利用頻度に応じて実施した。バランス機能(軌跡長・動揺面積)に基づき高・中・低リスクの3段階に分類し運動強度を個別設定した。評価項目は握力(最大値)、HDS-R、バランス機能(軌跡長・動揺面積)とし、開眼立位にて30秒間測定し介入前後で比較した。統計解析は対応のあるt検定およびウィルコクソンの符号付順位検定を用い、有意水準は5%とした。
【結果】
握力は左のみ有意差を認め(右:p=0.79、左:p<0.05)、右69%、左77%で維持・向上を示した。認知機能は平均2.6点改善し(p<0.05)、13名中11名(85%)で維持・向上を認めた。バランス機能は動揺面積11.7㎠から3.3㎠(p<0.01)、軌跡長51.3cmから35.4cm(p<0.01)と改善を示し、77~85%で改善を認めた。
【考察】
握力は一部で有意差を認めたが、全体としては維持傾向を示し、廃用予防の可能性が考えられた。認知機能改善は運動と発声を組み合わせた二重課題による認知負荷が影響した可能性が考えられる。バランス改善は反復的重心移動練習と個別強度設定により姿勢制御能力が向上した結果と推察されるが、測定に伴う学習効果や日内変動の影響も考慮する必要がある。本研究は「統一プログラム」と「個別最適化」を両立した点に特徴があり、通所現場における介入の一手法としての有用性が示唆される。一方で対照群を有さずサンプル数も少ないため、介入との因果関係は明確に示せない。
【まとめ】
標準化集団体操に個別強度調整を組み合わせた介入は、高齢通所利用者において身体機能の維持、認知機能の改善、バランス機能の向上との関連が示唆され、在宅生活継続への寄与の可能性が示唆された。

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