講演情報
[O-11-01]JFL所属の企業チームにおける外傷・障害の発生状況に関する一考察
*宮本 浩幸1,2、島袋 渉1、寺原 竜也1、新中 怜弥菜1、中武 美月1、樋口 潤一3,2 (1. Mスポーツ整形外科クリニック リハビリテーション科、2. Athlete House fan、3. Mスポーツ整形外科クリニック 整形外科)
キーワード:
スポーツ理学療法、サッカー、企業チーム
個人情報が特定されないように倫理的な配慮を十分に行った。開示すべき利益相反はなし。
【目的】JFLは企業チーム、Jリーグを目指すクラブ、地域のアマチュアクラブ等が参加している全国リーグで、年間を通しリーグ戦やカップ戦を行っているが、外傷・障害発生状況の報告は少ない。今回、予防のために理学療法士の介入につながる内容がないか、調査を行ったので報告する。
【対象と方法】対象はJFL所属の企業チームに在籍する男性28名で、平均は年齢24.7歳、身長175.7cm、体重70.2kgであった。対象期間は2025年1月から12月でトレーニング、試合に1回以上参加できなかった外傷・障害を対象とした。調査項目は①発生件数に加え内訳として、外傷・障害の割合、部位別、外傷・障害の種類、月別推移。②受傷機転は接触、非接触、他の物と接触した場合について、練習、試合での比較。③GPSデータから筋損傷のリスクを予見できるか、対象期間を3月30日から5月18日までの7週間、公式戦7試合、対象者は定期的に90分間フル出場したDF5名。④脳振盪、頭部打撲後に発生した外傷は段階的競技復帰プログラム(以下GRTP)実施中に加え、競技復帰後に発生した外傷の調査。以上の①~④について検討した。
【結果】①発生件数30件中、外傷23件(77%)、障害7件(23%)、部位別では頭部/顔面、股関節/鼡径部、足関節が5件ずつで全体の半数を占めた。外傷・障害の種類は、筋損傷・腱障害10件(33%)で最も多く、それらの月別推移では半数の5件が開幕前のプレシーズンに発生した。②受傷機転は接触11件(37%)、非接触11件(37%)、他の物と接触8件(26%)。練習と試合を比較すると練習では19件(63%)中、非接触9件(47%)、接触等10件(53%)。試合では11件(37%)中、接触等が9件(82%)であった。③対象者5名中1名にハムストリング肉離れが発生した。発生前の傾向として公式戦でのスプリント回数の急激な増加やポジションの変更等を認めた。④脳振盪、頭部打撲後の外傷発生は3名でGRTP中に足関節外傷2名、復帰後、ハムストリング肉離れ1名であった。
【考察】外傷・障害と部位別の割合は過去の報告と同様な傾向であった。外傷・障害の種類、月別推移では、最も多かった筋損傷・腱障害の半数がプレシーズン中に発生しており、その時期にフィジカルトレーニングの要素の多いチーム状況を反映していた。受傷機転は、練習と試合では接触等と非接触の傾向に違いがみられ、発生要因が異なることが示唆された。ハムストリング肉離れは、総移動距離や高強度ランニングに関係していると示唆できるため注意が必要である。脳振盪、頭部打撲後ではGRTP中に足関節外傷が2件発生した。近年、スポーツ脳振盪で前庭症状を主とする症例に対し、理学療法士が前庭リハビリテーションを提供することがスポーツ理学療法の領域を拡げる可能性があるとも報告されている。今後は、GRTP中の選手に対し検査や治療等での介入や、効果について検討していきたい。
【まとめ】理学療法士が全国リーグの企業チームに常勤できる環境は少ないが、外傷・障害の予防のための介入について有用な調査内容と考える。
【目的】JFLは企業チーム、Jリーグを目指すクラブ、地域のアマチュアクラブ等が参加している全国リーグで、年間を通しリーグ戦やカップ戦を行っているが、外傷・障害発生状況の報告は少ない。今回、予防のために理学療法士の介入につながる内容がないか、調査を行ったので報告する。
【対象と方法】対象はJFL所属の企業チームに在籍する男性28名で、平均は年齢24.7歳、身長175.7cm、体重70.2kgであった。対象期間は2025年1月から12月でトレーニング、試合に1回以上参加できなかった外傷・障害を対象とした。調査項目は①発生件数に加え内訳として、外傷・障害の割合、部位別、外傷・障害の種類、月別推移。②受傷機転は接触、非接触、他の物と接触した場合について、練習、試合での比較。③GPSデータから筋損傷のリスクを予見できるか、対象期間を3月30日から5月18日までの7週間、公式戦7試合、対象者は定期的に90分間フル出場したDF5名。④脳振盪、頭部打撲後に発生した外傷は段階的競技復帰プログラム(以下GRTP)実施中に加え、競技復帰後に発生した外傷の調査。以上の①~④について検討した。
【結果】①発生件数30件中、外傷23件(77%)、障害7件(23%)、部位別では頭部/顔面、股関節/鼡径部、足関節が5件ずつで全体の半数を占めた。外傷・障害の種類は、筋損傷・腱障害10件(33%)で最も多く、それらの月別推移では半数の5件が開幕前のプレシーズンに発生した。②受傷機転は接触11件(37%)、非接触11件(37%)、他の物と接触8件(26%)。練習と試合を比較すると練習では19件(63%)中、非接触9件(47%)、接触等10件(53%)。試合では11件(37%)中、接触等が9件(82%)であった。③対象者5名中1名にハムストリング肉離れが発生した。発生前の傾向として公式戦でのスプリント回数の急激な増加やポジションの変更等を認めた。④脳振盪、頭部打撲後の外傷発生は3名でGRTP中に足関節外傷2名、復帰後、ハムストリング肉離れ1名であった。
【考察】外傷・障害と部位別の割合は過去の報告と同様な傾向であった。外傷・障害の種類、月別推移では、最も多かった筋損傷・腱障害の半数がプレシーズン中に発生しており、その時期にフィジカルトレーニングの要素の多いチーム状況を反映していた。受傷機転は、練習と試合では接触等と非接触の傾向に違いがみられ、発生要因が異なることが示唆された。ハムストリング肉離れは、総移動距離や高強度ランニングに関係していると示唆できるため注意が必要である。脳振盪、頭部打撲後ではGRTP中に足関節外傷が2件発生した。近年、スポーツ脳振盪で前庭症状を主とする症例に対し、理学療法士が前庭リハビリテーションを提供することがスポーツ理学療法の領域を拡げる可能性があるとも報告されている。今後は、GRTP中の選手に対し検査や治療等での介入や、効果について検討していきたい。
【まとめ】理学療法士が全国リーグの企業チームに常勤できる環境は少ないが、外傷・障害の予防のための介入について有用な調査内容と考える。
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