講演情報
[O-12-02]地域在住中高年者における趣味活動の有無および種類と身体的フレイルとの関連
*井手 翔太郎1、釜﨑 大志郎2、八谷 瑞紀2、大川 裕行2、藤原 和彦2、保坂 公大3、末永 拓也4、藤村 諭史5、西浦 健蔵1、大田尾 浩2 (1. 甘木中央病院 リハビリテーション科、2. 西九州大学 リハビリテーション学部、3. 久留米リハビリテーション病院 リハビリテーション室、4. かとうクリニック 内科・呼吸器内科 リハビリテーション科、5. 横須賀病院 リハビリテーション科)
キーワード:
身体的フレイル、趣味活動、地域在住中高年者
参加者には研究の目的,方法,研究参加の自由,不参加による不利益がないことを説明し,同意を得た。本研究はヘルシンキ宣言に従い,研究倫理審査委員会(24PBV09)の承認を得て実施した。
【目的】
フレイルは高齢者が要介護状態に陥る主要な要因であり,ロバストの段階から予防する必要がある。趣味活動は身体活動や社会参加の促進につながり,フレイル予防に寄与する可能性が示されている。しかし,運動を伴う趣味(運動系)と伴わない趣味(文化系)で,フレイルとの関連に違いがあるかは明らかでない。そこで本研究は,地域在住中高年における趣味の有無および種類と身体的フレイルとの関連を検討した。
【方法】
本研究は横断研究である。包含基準はA町で実施した体力測定会への参加者とし,44歳以下の者,麻痺などで測定困難な者,欠損値を有する者を除外した。趣味の有無は自記式質問紙で聴取した。「趣味あり」と回答した者は,趣味の内容から「運動系」と「文化系」に分類した。フレイルは日本版フレイル基準(J-CHS)で評価し,ロバスト・プレフレイル・フレイルに分類した。基本属性を聴取し,体組成,身体活動,社会的フレイル,握力,5回椅子立ち座りテスト(FTSST),開眼片脚立位時間,timed up and go test(TUG),通常・最大歩行速度,mini-mental state examination(MMSE)を評価した。統計解析は,趣味の有無でMann-Whitney検定,χ²検定,Fisherの正確確率検定を用いた。また,趣味なし,運動系,文化系の3群比較にはKruskal-Wallis検定,Fisherの正確確率検定を用いた。統計学的有意水準は5%とした。
【結果】
分析参加者は除外基準に該当した2名を除く地域在住中高年者48名[79(74-84)歳,女性77%]であった。内訳は趣味なし群14名[83(76-86)歳],趣味あり群34名[79(73-83)歳]であった。また,趣味あり群の内訳は運動系7名[79(75-83)歳],文化系27名[79(73-83)歳]であった。趣味の有無とフレイル判定には有意な連関がみられた(p=0.004,効果量=0.46)。フレイル該当者の割合は,趣味なし群で6名(42.9%),運動系趣味群で1名(14.3%),文化系趣味群で2名(7.4%)であった。調整済み残差では,文化系趣味群においてフレイル該当者が少なかった(-2.3)。趣味なし群でフレイル該当者が多く(+2.7),ロバスト該当者が少なかった(-2.3)。また,趣味の種類とフレイル判定にも有意な連関がみられた(p=0.020,効果量=0.33)。
【考察】
趣味の有無および種類とフレイル判定との間に有意な連関がみられた。趣味なし群ではフレイル該当者が多く,ロバスト該当者が少なかったことから,趣味を有さないことがフレイルに関連する可能性が示唆された。また,文化系趣味群でフレイル該当者が少なかったことから,フレイルとの関連は運動系趣味に限られない可能性が考えられた。文化系趣味は知的活動,社会的交流,心理的充足感などを通じ,心理社会的側面からフレイルに関連している可能性がある。これらは,フレイルが身体的側面だけでなく,心理・社会的側面を含む多面的概念であることと整合する。
【まとめ】
地域在住中高年者のフレイル予防においては,運動系趣味に限らず,文化系趣味を含む多様な趣味活動に参加しやすい環境づくりや支援体制が必要である可能性が示唆された。
【目的】
フレイルは高齢者が要介護状態に陥る主要な要因であり,ロバストの段階から予防する必要がある。趣味活動は身体活動や社会参加の促進につながり,フレイル予防に寄与する可能性が示されている。しかし,運動を伴う趣味(運動系)と伴わない趣味(文化系)で,フレイルとの関連に違いがあるかは明らかでない。そこで本研究は,地域在住中高年における趣味の有無および種類と身体的フレイルとの関連を検討した。
【方法】
本研究は横断研究である。包含基準はA町で実施した体力測定会への参加者とし,44歳以下の者,麻痺などで測定困難な者,欠損値を有する者を除外した。趣味の有無は自記式質問紙で聴取した。「趣味あり」と回答した者は,趣味の内容から「運動系」と「文化系」に分類した。フレイルは日本版フレイル基準(J-CHS)で評価し,ロバスト・プレフレイル・フレイルに分類した。基本属性を聴取し,体組成,身体活動,社会的フレイル,握力,5回椅子立ち座りテスト(FTSST),開眼片脚立位時間,timed up and go test(TUG),通常・最大歩行速度,mini-mental state examination(MMSE)を評価した。統計解析は,趣味の有無でMann-Whitney検定,χ²検定,Fisherの正確確率検定を用いた。また,趣味なし,運動系,文化系の3群比較にはKruskal-Wallis検定,Fisherの正確確率検定を用いた。統計学的有意水準は5%とした。
【結果】
分析参加者は除外基準に該当した2名を除く地域在住中高年者48名[79(74-84)歳,女性77%]であった。内訳は趣味なし群14名[83(76-86)歳],趣味あり群34名[79(73-83)歳]であった。また,趣味あり群の内訳は運動系7名[79(75-83)歳],文化系27名[79(73-83)歳]であった。趣味の有無とフレイル判定には有意な連関がみられた(p=0.004,効果量=0.46)。フレイル該当者の割合は,趣味なし群で6名(42.9%),運動系趣味群で1名(14.3%),文化系趣味群で2名(7.4%)であった。調整済み残差では,文化系趣味群においてフレイル該当者が少なかった(-2.3)。趣味なし群でフレイル該当者が多く(+2.7),ロバスト該当者が少なかった(-2.3)。また,趣味の種類とフレイル判定にも有意な連関がみられた(p=0.020,効果量=0.33)。
【考察】
趣味の有無および種類とフレイル判定との間に有意な連関がみられた。趣味なし群ではフレイル該当者が多く,ロバスト該当者が少なかったことから,趣味を有さないことがフレイルに関連する可能性が示唆された。また,文化系趣味群でフレイル該当者が少なかったことから,フレイルとの関連は運動系趣味に限られない可能性が考えられた。文化系趣味は知的活動,社会的交流,心理的充足感などを通じ,心理社会的側面からフレイルに関連している可能性がある。これらは,フレイルが身体的側面だけでなく,心理・社会的側面を含む多面的概念であることと整合する。
【まとめ】
地域在住中高年者のフレイル予防においては,運動系趣味に限らず,文化系趣味を含む多様な趣味活動に参加しやすい環境づくりや支援体制が必要である可能性が示唆された。
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