講演情報
[O-15-04]片脚スクワットにおける前額面投影角度変化量の性差に関する検討
*吉野 温翔1、辛島 良介1、尾崎 悠人1、坂山 七海1、本山 達男2、川嶌 眞人2 (1. かわしまクリニック、2. 川嶌整形外科病院 整形外科)
キーワード:
片脚スクワット、knee-in、FPPA変化量
【説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言による倫理的配慮に基づいた研究であり、全ての対象者には十分な説明による同意を得られて実施した。
【はじめに】 Knee-in肢位は股関節内転・内旋,膝関節外反など複合的な関節運動を伴って膝関節が身体内側へ変位した状態と定義され,膝前十字靭帯(ACL)損傷の危険肢位の一つとされている.片脚スクワット(SLS)はknee-in肢位を呈しやすい動作であり,その評価指標として前額面投影角度(FPPA)が用いられている.これまで,スクワット肢位におけるFPPAを評価した報告は散見されるが,SLS中のFPPA変化量における性別による相違は十分に検討されていない.そこで本研究の目的は,SLS中のFPPA変化量と性別による相違を検討することとした.
【対象と方法】 対象は膝,及び足関節に既往のない健常成人21名(男性11名,女性10名),平均年齢25.4 ± 3.1歳であった.課題動作はボールを蹴る側の脚で実施した.SLSは片脚立位で両上肢を体側に下垂させた状態(静止時)を開始肢位とし,膝関節を60°まで屈曲した後(屈曲時),開始肢位へ戻る動作とした.なお,SLS中の膝関節屈曲60°の角度は計測前に動作練習を行い,可能な限り統一して実施した.課題動作時,被検者の3 m前方で膝関節中心が画面の中央に位置する高さにカメラを設置し,上前腸骨棘(ASIS),大腿骨内外顆の中点(膝関節中心),足関節内外果の中点(足関節中心)をランドマークに設定し,サンプリング周波数60 Hzで撮影した.FPPAはASISと膝関節中心を結ぶ直線と、膝関節中心と足関節中心を結ぶ直線の成す外側角と定義した.kinoveaを用いて,静止時,及び屈曲時でのFPPAを計測し,静止時から屈曲時を減じてFPPA変化量を算出した.統計解析はR4.5.3を用いて,正規性をShapiro-Wilk検定にて確認した後,静止時と屈曲時FPPAの相違について対応のあるt検定を用いた.また,FPPA変化量の性別による相違を2標本の差の検定を用いて検討した.いずれも有意水準は5%とした.
【結果】 FPPAは静止時で男性176.6±3.0°,女性175.8±2.0°,屈曲時で男性167.6±6.4°,女性162.5±7.6°であり,男女とも屈曲時にFPPAは有意に減少した.(いずれもp < 0.01).変化量は男性9.0±6.6°,女性13.3±7.1°であり,性別による有意差は認めなかった(p = 0.17).
【考察】 SLSではknee-in肢位を呈しやすく,健常成人を対象としたSLSのFPPAは160~170°程度と報告されており,本研究の結果もその範囲内であった.これらは,片脚立位姿勢での重心制御として股関節が内転を伴い支持脚への骨盤移動が必要であり,その姿勢からスクワット動作を行う際に股関節の内旋が生じやすいことから,FPPAが減少しknee-in肢位を呈したものと推察した.また,本研究ではFPPAの変化量に着目したが性別による相違は認められなかった.MeyerらはACL損傷時,急激なknee-in肢位への変化が生じることを報告しており,スクワット肢位でのFPPAのみではなく,SLSのFPPA変化量や急激な変化の有無が重要な指標となる可能性がある.今後はACL損傷例を対象として,健常膝との相違を含めた検討が必要と考えている.
【まとめ】 SLSでは膝関節の屈曲に伴いFPPAは有意に減少し,FPPA変化量は性別による相違を認めなかった.
【はじめに】 Knee-in肢位は股関節内転・内旋,膝関節外反など複合的な関節運動を伴って膝関節が身体内側へ変位した状態と定義され,膝前十字靭帯(ACL)損傷の危険肢位の一つとされている.片脚スクワット(SLS)はknee-in肢位を呈しやすい動作であり,その評価指標として前額面投影角度(FPPA)が用いられている.これまで,スクワット肢位におけるFPPAを評価した報告は散見されるが,SLS中のFPPA変化量における性別による相違は十分に検討されていない.そこで本研究の目的は,SLS中のFPPA変化量と性別による相違を検討することとした.
【対象と方法】 対象は膝,及び足関節に既往のない健常成人21名(男性11名,女性10名),平均年齢25.4 ± 3.1歳であった.課題動作はボールを蹴る側の脚で実施した.SLSは片脚立位で両上肢を体側に下垂させた状態(静止時)を開始肢位とし,膝関節を60°まで屈曲した後(屈曲時),開始肢位へ戻る動作とした.なお,SLS中の膝関節屈曲60°の角度は計測前に動作練習を行い,可能な限り統一して実施した.課題動作時,被検者の3 m前方で膝関節中心が画面の中央に位置する高さにカメラを設置し,上前腸骨棘(ASIS),大腿骨内外顆の中点(膝関節中心),足関節内外果の中点(足関節中心)をランドマークに設定し,サンプリング周波数60 Hzで撮影した.FPPAはASISと膝関節中心を結ぶ直線と、膝関節中心と足関節中心を結ぶ直線の成す外側角と定義した.kinoveaを用いて,静止時,及び屈曲時でのFPPAを計測し,静止時から屈曲時を減じてFPPA変化量を算出した.統計解析はR4.5.3を用いて,正規性をShapiro-Wilk検定にて確認した後,静止時と屈曲時FPPAの相違について対応のあるt検定を用いた.また,FPPA変化量の性別による相違を2標本の差の検定を用いて検討した.いずれも有意水準は5%とした.
【結果】 FPPAは静止時で男性176.6±3.0°,女性175.8±2.0°,屈曲時で男性167.6±6.4°,女性162.5±7.6°であり,男女とも屈曲時にFPPAは有意に減少した.(いずれもp < 0.01).変化量は男性9.0±6.6°,女性13.3±7.1°であり,性別による有意差は認めなかった(p = 0.17).
【考察】 SLSではknee-in肢位を呈しやすく,健常成人を対象としたSLSのFPPAは160~170°程度と報告されており,本研究の結果もその範囲内であった.これらは,片脚立位姿勢での重心制御として股関節が内転を伴い支持脚への骨盤移動が必要であり,その姿勢からスクワット動作を行う際に股関節の内旋が生じやすいことから,FPPAが減少しknee-in肢位を呈したものと推察した.また,本研究ではFPPAの変化量に着目したが性別による相違は認められなかった.MeyerらはACL損傷時,急激なknee-in肢位への変化が生じることを報告しており,スクワット肢位でのFPPAのみではなく,SLSのFPPA変化量や急激な変化の有無が重要な指標となる可能性がある.今後はACL損傷例を対象として,健常膝との相違を含めた検討が必要と考えている.
【まとめ】 SLSでは膝関節の屈曲に伴いFPPAは有意に減少し,FPPA変化量は性別による相違を認めなかった.
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