講演情報
[O-16-01]重度片麻痺患者に対し免荷機能付き歩行器と装着型サイボーグを段階的に用い移乗動作能力向上を認めた一症例
*浜崎 海生1、浜岡杉原 帆香1、園田 健雄1、飛永 浩一朗1 (1. 誠愛リハビリテーション病院)
キーワード:
被殻出血、移乗動作、クロスエデュケーション
演題発表に関連し、発表者らに開示すべきCOI関係にある企業などはありません。
当法人倫理審査委員会の承認(承認番号:26-293)および対象者の同意を得ている。
【目的】
被殻出血は脳出血の中でも発生頻度が高く,大脳皮質や脳幹と強い機能的連結を持ち,運動プログラムや随意運動,姿勢制御プログラムを担うとされている.今回,左被殻出血により重度片麻痺患者に対し立ち上がり動作においてROPOX製吊り下げ式歩行器All-in-One Walking trainer(以下:AIO)やHAL腰タイプ自立支援用(以下:腰HAL)を段階的に用いて移乗動作能力向上を認めた症例について報告する.
【症例紹介】
50歳代女性,左利き.病前ADL自立.救急搬送され,左被殻出血と診断,同日に内視鏡的血腫除去術施行.30病日目に当院へ転院しリハビリテーション開始.本研究の介入開始51病日目のGCS:7/15点(E3点,V1点,M3点),Brunnstrom stage(以下:BS):上肢Ⅰ,手指Ⅰ,下肢Ⅱ.神経心理学的所見は全失語であったが模倣は可能であった.視察上で軽度の右半側空間無視(CBS:2点)と注意障害を認めた.基本動作は寝返りから立位保持まで全介助,移乗動作は二人介助を要していた.FIM:46点(m-FIM:13点)で移乗動作:1点であった.
【方法】
介入期間は,51病日目から199病日目(148日間).Ⅰ期(51から77病日目):AIOを用い,長下肢装具装着下で立ち上がりと立位保持5回から10回へ漸増,3セット,週5回実施.座位保持が見守りになった時点でⅡ期へ移行するようにした.Ⅱ期(78から199病日目),腰HALを用い,平行棒を支持し立ち上がりと立位保持を10回,2セット,週5回実施.実施後ベッドと車椅子間の移乗を看護師と協働し実施.
【結果】
199病日時ではGCS:13点(E4点,V3点,M6点),BS:Ⅰ-Ⅰ-Ⅱ.基本動作は寝返り動作が修正自立,起き上がり動作が軽介助,座位保持が修正自立,起立動作・立位保持・移乗動作が軽介助となっている.FIM:59点(m-FIM:38点)で移乗動作:4点となり,200病日目に自宅退院となった.
【考察】
脳卒中患者の在宅復帰に関する移乗動作は,理学療法においてその動作能力の向上が求められる(岡本伸弘ら:2026).今回,重度片麻痺患者で意識障害や高次脳機能障害を呈した症例において移乗動作能力向上を一目標とした.移乗動作に必要な立ち上がり動作能力向上を目的に,両側運動野間の相互作用や脳梁を介した神経ネットワークの賦活化を利用し,非麻痺側の運動から麻痺側の同部位の随意性および筋活動に有効な向上が得られるとされるクロスエデュケーション効果(Katisら:2012)を用い,立ち上がり運動や立位保持を行った.左右対称かつ正中位で非麻痺則に加え麻痺側の運動能の向上を図るため,初期段階ではAIOで姿勢アライメントを修正し外力的補助下での両側性運動を行い,次段階では腰HALにて随意的運動による中枢神経へのバイオフィードバック(Kazuya Saitaら:2018)から麻痺側の運動機能や姿勢制御機能が賦活されるよう段階的に実施した.さらに,立ち上がり練習で下肢および体幹の神経駆動が高まった直後に移乗動作を反復することで,獲得された下肢運動機能や姿勢制御機能を実動作において統合し即時的な課題指向型アプローチとして機能させることで移乗動作能力の向上を図った.結果,麻痺レベルの改善はなかったが,移乗動作の自立度の向上を認めた.また,看護師と協働介入したことで生活への汎化を促し,在宅復帰を可能にした一因になったと考える.
当法人倫理審査委員会の承認(承認番号:26-293)および対象者の同意を得ている。
【目的】
被殻出血は脳出血の中でも発生頻度が高く,大脳皮質や脳幹と強い機能的連結を持ち,運動プログラムや随意運動,姿勢制御プログラムを担うとされている.今回,左被殻出血により重度片麻痺患者に対し立ち上がり動作においてROPOX製吊り下げ式歩行器All-in-One Walking trainer(以下:AIO)やHAL腰タイプ自立支援用(以下:腰HAL)を段階的に用いて移乗動作能力向上を認めた症例について報告する.
【症例紹介】
50歳代女性,左利き.病前ADL自立.救急搬送され,左被殻出血と診断,同日に内視鏡的血腫除去術施行.30病日目に当院へ転院しリハビリテーション開始.本研究の介入開始51病日目のGCS:7/15点(E3点,V1点,M3点),Brunnstrom stage(以下:BS):上肢Ⅰ,手指Ⅰ,下肢Ⅱ.神経心理学的所見は全失語であったが模倣は可能であった.視察上で軽度の右半側空間無視(CBS:2点)と注意障害を認めた.基本動作は寝返りから立位保持まで全介助,移乗動作は二人介助を要していた.FIM:46点(m-FIM:13点)で移乗動作:1点であった.
【方法】
介入期間は,51病日目から199病日目(148日間).Ⅰ期(51から77病日目):AIOを用い,長下肢装具装着下で立ち上がりと立位保持5回から10回へ漸増,3セット,週5回実施.座位保持が見守りになった時点でⅡ期へ移行するようにした.Ⅱ期(78から199病日目),腰HALを用い,平行棒を支持し立ち上がりと立位保持を10回,2セット,週5回実施.実施後ベッドと車椅子間の移乗を看護師と協働し実施.
【結果】
199病日時ではGCS:13点(E4点,V3点,M6点),BS:Ⅰ-Ⅰ-Ⅱ.基本動作は寝返り動作が修正自立,起き上がり動作が軽介助,座位保持が修正自立,起立動作・立位保持・移乗動作が軽介助となっている.FIM:59点(m-FIM:38点)で移乗動作:4点となり,200病日目に自宅退院となった.
【考察】
脳卒中患者の在宅復帰に関する移乗動作は,理学療法においてその動作能力の向上が求められる(岡本伸弘ら:2026).今回,重度片麻痺患者で意識障害や高次脳機能障害を呈した症例において移乗動作能力向上を一目標とした.移乗動作に必要な立ち上がり動作能力向上を目的に,両側運動野間の相互作用や脳梁を介した神経ネットワークの賦活化を利用し,非麻痺側の運動から麻痺側の同部位の随意性および筋活動に有効な向上が得られるとされるクロスエデュケーション効果(Katisら:2012)を用い,立ち上がり運動や立位保持を行った.左右対称かつ正中位で非麻痺則に加え麻痺側の運動能の向上を図るため,初期段階ではAIOで姿勢アライメントを修正し外力的補助下での両側性運動を行い,次段階では腰HALにて随意的運動による中枢神経へのバイオフィードバック(Kazuya Saitaら:2018)から麻痺側の運動機能や姿勢制御機能が賦活されるよう段階的に実施した.さらに,立ち上がり練習で下肢および体幹の神経駆動が高まった直後に移乗動作を反復することで,獲得された下肢運動機能や姿勢制御機能を実動作において統合し即時的な課題指向型アプローチとして機能させることで移乗動作能力の向上を図った.結果,麻痺レベルの改善はなかったが,移乗動作の自立度の向上を認めた.また,看護師と協働介入したことで生活への汎化を促し,在宅復帰を可能にした一因になったと考える.
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
