講演情報

[O-17-02]腱板修復術後1年の患者満足度に関連する身体機能因子の年齢層別検討

*濱崎 亜未1、田中 康明1、上妻 大士1、宮川 洋一1、大宮 俊宣2、﨑村 俊之3 (1. 重工記念長崎病院 リハビリテーション科、2. 大宮医院、3. 重工記念長崎病院 整形外科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

腱板修復術、満足度、身体機能因子

本研究はヘルシンキ宣言に則って実施した。研究の目的,方法,個人情報の取り扱いについて十分な説明を行い,対象者の同意を得た。

【目的】腱板修復術後における患者満足度は,患者の主観的評価を反映する重要なアウトカムの一つとされている。これまで,機能評価や心理的側面など複数の因子との関連が報告されているが,年齢層別ごとの筋力や可動域などの身体機能との関連については十分に検討されていない。本研究では,腱板修復術後1年の患者満足度に関連する身体機能因子を,年齢層別に検討することを目的とした。
【方法】対象は腱板修復術後患者65例(平均年齢66.4±9.1歳,男性39例,女性26例)とした。年齢により70歳未満群と70歳以上群の2群に分けて,さらに術後の満足度を満足・不満足に分けて検討を行った。各群はそれぞれ70歳未満群38例(満足27例,不満足11例)と70歳以上群27例(満足19例,不満足8例)に分けられ,術後1年の満足度を満足群・不満足を目的変数,性別,BMI,断裂サイズ,術後疼痛NRS,術後筋力(屈曲・外転MMT),Sugaya分類,術後可動域(屈曲・外転・外旋・内旋)を説明変数としてロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行った。年齢層別の満足・不満足群間の比較をMann-Whitney U検定にて実施した。有意水準は5%未満とした。
【結果】70歳未満群では,術後NRSおよび術後外旋ROMが満足度と関連する因子として抽出された。術後NRSは満足度と負の関連を示し(OR=0.311,95%CI:0.134–0.722,p=0.007),術後外旋ROMは正の関連を示した(OR=1.163,95%CI:1.023–1.322,p=0.021)。また,群間比較では術後疼痛NRS,外転筋力,術後可動域(屈曲・外転・外旋・内旋)に有意差を認めた。一方,70歳以上群では有意な関連因子は抽出されず,群間比較でも有意差は認めなかった。
【考察】70歳未満群では,疼痛および外旋可動域が患者満足度と関連していた。疼痛軽減は患者満足度に影響する要因として報告されており,本研究でも同様の結果が示された。また,外旋可動域は整容動作や更衣動作など日常生活動作に関与し,先行研究では若年層は機能回復への期待が比較的高いと報告されているため満足度に影響した可能性が考えられた。一方,70歳以上群では有意な関連因子が抽出されなかった。高齢者は若年者と比較して活動レベルや身体的要求度が低く,疼痛消失や基本的日常生活動作の維持に対する期待が相対的に大きいことが報告されている。また,高齢者は術後の心理的回復に対してより高い満足感を示す傾向があることが報告されており,筋力や可動域などの身体機能では満足度を説明しきれない可能性がある。
【まとめ】腱板修復術後1年時の患者満足度に関連する因子は年齢層によって異なる可能性が示された。70歳未満では疼痛および外旋ROMとの関連が認められた一方,70歳以上では有意な関連因子は抽出されなかった。今後は症例数や評価項目を増やし,身体機能以外の要因も含めた検討が必要と考えられた。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン