講演情報
[O-3-03]中高生女子陸上短距離選手におけるシーズン前後の100m自己ベストタイム改善効果と関連要因の検討
*﨑田 美保1、久木崎 航1,2、今村 修3、河野 真和4 (1. (株)未来図Labo、2. 熊本保健科学大学 保健科学部 リハビリテーション学科、3. 宮崎県立都城商業高校 保健体育科,宮崎県高体連陸上競技専門部長、4. 宮崎市立大淀中学校 保健体育科,宮崎市中体連陸上競技専門部長)
キーワード:
成長期女性アスリート、メディカルチェック、身体的機能指標
本研究は対象者および保護者に十分な説明を行い,同意を得て実施した.加えて,オプトアウト方式により対象者に研究参加を拒否できる機会を設けた.
【はじめに】女性アスリートにおいて,シーズンを通じたトレーニング量や試合頻度,疲労蓄積,身体組成ならびに柔軟性の変動が生じ,これらの身体的特性の変化がパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある.しかし,中高生年代の女子短距離選手において,シーズン前後のメディカルチェックで得られる機能指標の変化が100mタイムの改善とどのように関連するかは十分に整理されていない.本研究では,中高生女子陸上短距離選手を対象にシーズン前後の100mタイムの改善効果を明らかにし,さらに各メディカルチェック指標の変化量との関連を検討することを目的とした.
【対象】2023年4月から2025年12月までに指導介入を行った中学生,高校生女子陸上短距離選手14名とした.なお,本研究は同一対象をシーズン前後の2時点で測定する縦断的観察研究として実施した.
【介入内容】各校への介入は年間を通したメディカルチェック測定と,トレーニング指導,セルフコンディショニング指導の介入を行っている.具体的には,メディカルチェック測定の結果より,弱化している筋力に対するトレーニング指導,柔軟性低下のあった部位へのストレッチ指導を実施している.
【データ収集・解析】シーズン前後にメディカルチェックを実施し,体組成,大腿周径,柔軟性,関節可動域,徒手筋力検査等の指標を評価した.データ分析は,正規性の確認後,100mタイムのシーズン前後の比較に対応のあるt検定を用いた.100mタイムは昨シーズンのシーズンベストを前、当シーズンのシーズンベストを後と設定した.さらに,シーズン前後の100mタイムの変化量(Δ)を目的変数とし,体脂肪率や筋肉量等の体組成,右大腿周径等の下肢周径,ならびに股関節や下肢伸展挙上角度等の柔軟性・関節可動域,徒手筋力検査の各機能指標の変化量(Δ)を説明変数として,ピアソンの積率相関係数を用いた相関分析および回帰分析を実施した(有意水準5%未満).
【結果】シーズン前後の比較において,100mタイムはシーズン前(14.5±0.8秒)と比較し,シーズン後(14.2±0.8秒)で有意なタイムの短縮が認められた(平均改善量:0.33秒,p=0.010).一方で,100mタイムの変化量と各機能指標の変化量との関連については,相関分析においていずれの指標とも有意な相関は認められなかった.また,各指標を用いた単回帰分析および重回帰分析においても,100mタイムの変化量を有意に説明する機能指標は見出されなかった.
【考察】本研究の結果,シーズンを通じた100mタイムの有意な改善効果が確認された.しかし,その改善要因を分析するために機能指標の変化量との関連を検討した結果,有意な関連は認められなかった.この要因として,対象者が14名と少数であり,統計学的な検出力が不足していたことが限界として挙げられる.また,短距離走のパフォーマンス改善には,筋量や柔軟性といった身体的機能指標だけでなく,スプリント技術や神経系の適応,弾性要素,ピーキングなどの非身体的要因がより強く影響した可能性が示唆される.今後は対象者数を拡大し,パフォーマンス改善に関与する要因について多角的に検討する必要がある.
【はじめに】女性アスリートにおいて,シーズンを通じたトレーニング量や試合頻度,疲労蓄積,身体組成ならびに柔軟性の変動が生じ,これらの身体的特性の変化がパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある.しかし,中高生年代の女子短距離選手において,シーズン前後のメディカルチェックで得られる機能指標の変化が100mタイムの改善とどのように関連するかは十分に整理されていない.本研究では,中高生女子陸上短距離選手を対象にシーズン前後の100mタイムの改善効果を明らかにし,さらに各メディカルチェック指標の変化量との関連を検討することを目的とした.
【対象】2023年4月から2025年12月までに指導介入を行った中学生,高校生女子陸上短距離選手14名とした.なお,本研究は同一対象をシーズン前後の2時点で測定する縦断的観察研究として実施した.
【介入内容】各校への介入は年間を通したメディカルチェック測定と,トレーニング指導,セルフコンディショニング指導の介入を行っている.具体的には,メディカルチェック測定の結果より,弱化している筋力に対するトレーニング指導,柔軟性低下のあった部位へのストレッチ指導を実施している.
【データ収集・解析】シーズン前後にメディカルチェックを実施し,体組成,大腿周径,柔軟性,関節可動域,徒手筋力検査等の指標を評価した.データ分析は,正規性の確認後,100mタイムのシーズン前後の比較に対応のあるt検定を用いた.100mタイムは昨シーズンのシーズンベストを前、当シーズンのシーズンベストを後と設定した.さらに,シーズン前後の100mタイムの変化量(Δ)を目的変数とし,体脂肪率や筋肉量等の体組成,右大腿周径等の下肢周径,ならびに股関節や下肢伸展挙上角度等の柔軟性・関節可動域,徒手筋力検査の各機能指標の変化量(Δ)を説明変数として,ピアソンの積率相関係数を用いた相関分析および回帰分析を実施した(有意水準5%未満).
【結果】シーズン前後の比較において,100mタイムはシーズン前(14.5±0.8秒)と比較し,シーズン後(14.2±0.8秒)で有意なタイムの短縮が認められた(平均改善量:0.33秒,p=0.010).一方で,100mタイムの変化量と各機能指標の変化量との関連については,相関分析においていずれの指標とも有意な相関は認められなかった.また,各指標を用いた単回帰分析および重回帰分析においても,100mタイムの変化量を有意に説明する機能指標は見出されなかった.
【考察】本研究の結果,シーズンを通じた100mタイムの有意な改善効果が確認された.しかし,その改善要因を分析するために機能指標の変化量との関連を検討した結果,有意な関連は認められなかった.この要因として,対象者が14名と少数であり,統計学的な検出力が不足していたことが限界として挙げられる.また,短距離走のパフォーマンス改善には,筋量や柔軟性といった身体的機能指標だけでなく,スプリント技術や神経系の適応,弾性要素,ピーキングなどの非身体的要因がより強く影響した可能性が示唆される.今後は対象者数を拡大し,パフォーマンス改善に関与する要因について多角的に検討する必要がある.
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