講演情報

[O-4-02]DIEP flap術後における理学療法士介入の役割ー周術期患者教育および段階的離床を通してー

*目島 さつき1、葛城 遼平2 (1. 中頭病院 リハビリテーション部、2. 医学研究所北野病院 乳腺外科)
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キーワード:

DIEP flap、早期離床、皮弁評価

研究の目的、方法、参加は自由意志であり拒否による不利益はないこと、個人情報の保護について、対象者に文書と口頭で説明を行い、書面にて同意を得た。

【背景】深下腹壁穿通枝⽪弁(以下:DIEP flap)による乳房再建術後は,腹部⽪膚・脂肪組織を⽤いた⾃家組織乳房再建術であり,⾎管吻合を要する遊離⽪弁で乳房再建術においては広く普及している術式である。DIEP flap 術後は⽪弁⾎流保護のため安静管理が重要となり、⽪弁⾎流の安定化を⽬的として⼀定期間の安静が推奨されてきた。⼀⽅、近年は術後早期回復プログラム(以下:ERAS)の概念に基づき早期離床の導⼊が進められているが,⽪弁⾎流への影響が懸念され,安全な離床開始時期に対するエビデンスは確⽴されていない。当院では 2024 年より DIEP flap 術後患者に対し段階的早期離床プロトコルを導⼊した。今回、当院における段階的早期離床プロトコルの標準的経過と、DIEP flap 術後早期離床における理学療法⼠介⼊の臨床的意義について検討した。
【対象】当院で 2024 年 10 ⽉から 2026 年3⽉に、DIEP flap による乳房再建術を施⾏した年齢 50.97±7.9 歳 30例を対象とした。
【理学療法介入】
理学療法⼠は術前外来より介⼊を開始し、当院独⾃のパンフレットを⽤いて術後安静制限、離床スケジュール、起き上がり⽅法および退院後 ADL に関する説明を実施した。術後は 12 時間後より段階的離床を導⼊し、術後 1 ⽇⽬(以下:POD)午前に端坐位、午後に⾞椅⼦離床、POD2 より歩⾏を開始した。介⼊前後でドップラー⾳聴取、⽪弁⾊調、皮弁温度、⽑細⾎管再充満時間、乳房鬱⾎評価を⽬的とした⽪弁サイズ計測による⽪弁評価を実施した。また、前屈位保持を基本とし、腹圧上昇および体幹伸展を抑制する姿勢・動作指導を⾏った。さらに、POD4 以降は ADL 訓練、POD10 より吻合⾎管への牽引負荷を考慮し上肢可動域訓練を開始した。退院時には再度パンフレットを⽤いて退院後の⽣活指導を実施した。【結果】離床前後において⽪弁⾎流障害を疑う所⾒は認めず、経過は良好であった。POD2 に尿道カテーテルを抜去し,同⽇に歩⾏⾃⽴を獲得した。術中経過や乳房ボリュームにより離床進⾏を調整した症例はあったが、術後を通して早期離床を起因とした再吻合や⽪弁関連合併症は認めなかった。
【考察】本対象では、理学療法⼠が術前外来から退院指導まで⼀貫して介⼊することで,安全に早期離床を実施できた可能性が⽰唆された。特に、術前からパンフレットを⽤いて安静制限や離床⽅法を説明したことで,動作理解および離床不安軽減につながったと考えられる。また,離床時にはドップラー評価や CRT 評価を⽤いて⽪弁⾎流を確認しながら介⼊を進めることで,安全性を担保できた可能性がある。さらに,前屈位保持や腹圧調整を含めた姿勢・動作指導により,離床時の腹圧上昇および体幹伸展が抑制され,⽪弁⾎流への影響を最⼩限にしたと考えられる。DIEP flap 術後患者に対する早期離床では,単に離床時期を早めるだけでなく,術前教育,⽪弁評価および動作指導を含めた理学療法介⼊が重要である。また,多職種と連携しながら⽪弁⾎流評価および運動負荷調整を⾏うことが重要である。
【結語】DIEP flap 術後において,周術期患者教育,⽪弁評価および姿勢・動作指導を含めた理学療法⼠による介⼊は,安全な早期離床の実施に寄与する可能性が⽰唆された。

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