講演情報
[O-5-02]特発性側弯症の角度変化からみた予後予測と悪化例の検討
*清武 昌也1、森山 秀一1、山田 秀大2、天児 芽実1、後藤 正宗1、佐藤 史穂1 (1. 山田整形外科クリニック リハビリテーション科、2. 山田整形外科クリニック 整形外科)
キーワード:
特発性側弯症、シュロス法、予後予測
研究に先立ち個人情報の取り扱いに十分に配慮し,ヘルシンキ宣言を基に研究に同意を得られた患者を対象とした。
【目的】
我々は思春期特発性側弯症(以下:AIS)に対し早期に運動療法を行っている。その中で悪化する症例の予測および対策が重要であると考える。本研究は,初回からのcobb角変化が予後予測に有用であるかを検討するとともに,悪化例の特徴を捉え,早期に悪化が予測される症例の抽出および治療戦略の最適化に寄与することを目的とした。
【方法】
当院にてAISと診断され,初診時のRisser signが確認でき,初診から3ヶ月後(2回目)の単純X線撮影までシュロス法を継続的に施行した76名(男:12名/女:64名)とした。内訳は平均年齢13.1±2.31歳,T-type36名,L-type40名,初回cobb角21.2±6.29°,初回hump5.55±2.99°,初診時Risser sign2.88±1.62であった。評価項目は,初回・2回目・最新のcobb角,hump,初診時Risser signとした。cobb角,humpともにメジャーカーブの角度を抽出した。単純X線撮影は初診から約3ヶ月で撮影を行った。
検討項目は,初回から2回目までのcobb角変化に基づき,5°以上改善を改善群,±5°未満を維持群,5°以上悪化を進行群と定義し,1)初回-2回目の角度変化と最終治療結果(改善・維持・進行)との関連をスピアマン順位相関係数およびχ²検定を用いて検討した。また,進行群の特徴を明らかにするため,2)進行群と改善群における各評価項目をMann-Whitney U-testを用いて比較した。いずれも有意水準5%未満で実施した。
【結果】
初回からのcobb角変化は,改善21例(27.6%),維持51例(67.1%),進行4例(5.3%)であった。初回から2回目までのcobb角変化と最終結果との間には強い相関を認め(r=0.78),治療結果分類との間にも有意な関連を認めた(χ²=47.1,df=4,p<0.01)。また,humpの初期変化量においても最終結果との間に中等度の相関を認めた(r=0.46)。さらに進行群では,改善群と比較して,2回目(30.7±5.95°/12.4±7.25°)および最終(31.4±5.71°/13.0±8.03°)cobb角(p<0.01),2回目(6.5±2.64°/3.85±2.35°)および最終(6.25±2.21°/3.04±2.01°)のhumpがいずれも有意に高値を示した (p<0.05)。一方,年齢(13.0±1.41歳/12.3±2.78歳),Risser sign(1.75±1.70/2.76±1.84),初診時cobb角(22.9±3.73°/20.46±6.32°),hump(6.5±2.38°/5.38±2.95°)には有意差を認めなかった(p>0.05)。
【考察】
AISの最終cobb角を予測する因子として,胸椎および腰椎カーブでは2回目のcobb角が重要であると報告されている(Ohyama, 2025)。本研究においても,初回から2回目までのcobb角およびhumpの変化は最終結果と関連していた。また進行群と改善群の比較では,進行群が初診時のcobb角およびhumpに有意差は認めなかったものの改善群より高値傾向を示し,2回目および最終評価時にはいずれも有意に高値を示した。初回cobb角の大きさが進行リスク因子であるとの報告もあるが(Maximilian, 2021),本研究の結果より,初回の角度の大きさに加え,初回から2回目にかけて進行を示した症例は,その後の経過においても進行するリスクが高い可能性がある。以上より,初回から2回目までのcobb角変化およびhumpの推移を評価することは,早期に進行が予測される症例の抽出に有用であり,運動内容や介入方法の再検討など,早期の治療戦略変更につながる可能性が示された。
【目的】
我々は思春期特発性側弯症(以下:AIS)に対し早期に運動療法を行っている。その中で悪化する症例の予測および対策が重要であると考える。本研究は,初回からのcobb角変化が予後予測に有用であるかを検討するとともに,悪化例の特徴を捉え,早期に悪化が予測される症例の抽出および治療戦略の最適化に寄与することを目的とした。
【方法】
当院にてAISと診断され,初診時のRisser signが確認でき,初診から3ヶ月後(2回目)の単純X線撮影までシュロス法を継続的に施行した76名(男:12名/女:64名)とした。内訳は平均年齢13.1±2.31歳,T-type36名,L-type40名,初回cobb角21.2±6.29°,初回hump5.55±2.99°,初診時Risser sign2.88±1.62であった。評価項目は,初回・2回目・最新のcobb角,hump,初診時Risser signとした。cobb角,humpともにメジャーカーブの角度を抽出した。単純X線撮影は初診から約3ヶ月で撮影を行った。
検討項目は,初回から2回目までのcobb角変化に基づき,5°以上改善を改善群,±5°未満を維持群,5°以上悪化を進行群と定義し,1)初回-2回目の角度変化と最終治療結果(改善・維持・進行)との関連をスピアマン順位相関係数およびχ²検定を用いて検討した。また,進行群の特徴を明らかにするため,2)進行群と改善群における各評価項目をMann-Whitney U-testを用いて比較した。いずれも有意水準5%未満で実施した。
【結果】
初回からのcobb角変化は,改善21例(27.6%),維持51例(67.1%),進行4例(5.3%)であった。初回から2回目までのcobb角変化と最終結果との間には強い相関を認め(r=0.78),治療結果分類との間にも有意な関連を認めた(χ²=47.1,df=4,p<0.01)。また,humpの初期変化量においても最終結果との間に中等度の相関を認めた(r=0.46)。さらに進行群では,改善群と比較して,2回目(30.7±5.95°/12.4±7.25°)および最終(31.4±5.71°/13.0±8.03°)cobb角(p<0.01),2回目(6.5±2.64°/3.85±2.35°)および最終(6.25±2.21°/3.04±2.01°)のhumpがいずれも有意に高値を示した (p<0.05)。一方,年齢(13.0±1.41歳/12.3±2.78歳),Risser sign(1.75±1.70/2.76±1.84),初診時cobb角(22.9±3.73°/20.46±6.32°),hump(6.5±2.38°/5.38±2.95°)には有意差を認めなかった(p>0.05)。
【考察】
AISの最終cobb角を予測する因子として,胸椎および腰椎カーブでは2回目のcobb角が重要であると報告されている(Ohyama, 2025)。本研究においても,初回から2回目までのcobb角およびhumpの変化は最終結果と関連していた。また進行群と改善群の比較では,進行群が初診時のcobb角およびhumpに有意差は認めなかったものの改善群より高値傾向を示し,2回目および最終評価時にはいずれも有意に高値を示した。初回cobb角の大きさが進行リスク因子であるとの報告もあるが(Maximilian, 2021),本研究の結果より,初回の角度の大きさに加え,初回から2回目にかけて進行を示した症例は,その後の経過においても進行するリスクが高い可能性がある。以上より,初回から2回目までのcobb角変化およびhumpの推移を評価することは,早期に進行が予測される症例の抽出に有用であり,運動内容や介入方法の再検討など,早期の治療戦略変更につながる可能性が示された。
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