講演情報

[O-6-02]前足部の肢位が足底腱膜の腱厚に与える変化について

*山田 大輔1、新保 千尋2、海江田 光祥3、小濵 泰斗1、谷口 ひかる1 (1. 医療法人吉野会 はやと整形外科 リハビリテーション部、2. 社会医療法人恒心会 恒心会おぐら病院 リハビリテーション部、3. 医療法人吉野会 はやと整形外科 整形外科)
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キーワード:

足底腱膜、前足部肢位、超音波診断装置

【倫理的配慮】
 本研究はヘルシンキ宣言を遵守し、個人が特定されないよう配慮した。また、全ての対象者に対して研究内容について十分に説明し同意を得た。本研究において開示すべき利益相反はない。

【目的】
 足底腱膜は歩行や走行時の衝撃吸収作用、推進力に対し重要な役割を果たしている。足底腱膜への過剰なストレスは疼痛を惹起し、日常生活やスポーツ活動において制限を生じることが問題となる。足底腱膜へのストレスが長期化することで足部の形状変化を生じる例が存在し、特に前足部の代償動作はそのひとつの要因と考えられる。そこで、本研究では前足部の回内、回外位が足底腱膜の腱厚変化に関連するかを検討することを目的とした。
【方法】
 対象は、下肢疾患を有さない、健常成人男性10例10足とした(平均年齢25.4±4.2歳)。測定方法は腹臥位にて、下腿部にクッションを挿入し、膝関節を屈曲30°位とした。足関節は底背屈0°位とし、前足部を徒手的に、中間位・最大回内位・最大回外位とする3条件とした。中間位は、踵骨が下腿軸に対して垂直となる肢位とし、中足部、後足部は前足部の動きに対して追従しないように徒手にて固定して計測した。最大回内・回外位は、中間位を基準に、前足部を中足部・後足部の代償運動が生じない抵抗感での可動域で計測した。測定は、超音波診断装置(HITACHI ALOK社製 Noblus)を使用し、プローブはHdTHI-Rにて計測を実施した。測定部位は踵部中央にプローブを当て、踵骨隆起を確認し、足底腱膜付着部より5mm遠位部での腱厚を測定した。測定は理学療法士1名で実施した。統計学的解析は、前足部中間位の腱厚と最大回内位、最大回外位における腱厚の変化に対し比較検定を実施した。検定においてデータの正規性を確認し、対応のあるt検定を実施し、有意水準は5%とした。
【結果】
 前足部中間位の足底腱膜の腱厚は、2.3±0.4mmであった。前足部最大回内位は1.8±0.5mmで前足部中間位より有意な減少を認めた(p<0.01)。前足部回外位は3.0±0.7mmで前足部中間位より有意な増加を認めた(p<0.01)。
【考察】
 足関節は前足部・中足部・後足部が連動し、協調して働く。そのため、前足部や後足部の変形は足関節全体の変形などに関連するとされる。足底腱膜は足部変形により伸張、短縮し機能低下を生じることが考えられる。本研究にて、足底腱膜は前足部回内運動時に伸長され、腱厚が減少し、前足部回外運動時に弛緩され、腱厚が増加に関連したのではないかと考えられる。足底腱膜に対する機能障害において、前足部への着目は症状発生や増悪に対する予防や介入の一助になることが示唆される。
【本研究の課題と限界】
 本研究は徒手的な固定で実施しており後足部、中足部の代償運動が生じていた可能性がある。また対象者において、足関節に対する機能障害がない健常者としている。そのため、足底腱膜への症状のある対象者との比較などの検証が今後必要である。

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