講演情報
[O-6-03]人工膝関節全置換術前後での足部アライメントの変化
*牟田 宏平1、堀之内 一輝1、寺谷 威2、宇藤 一光2 (1. 整形外科押領司病院 リハビリテーション部、2. 整形外科押領司病院 整形外科)
キーワード:
変形性膝関節症、TKA、足部アライメント
本研究の対象者には研究目的,方法,参加は自由意志で拒否による不利益はないことを十分に説明した上で同意を得た。また,対象者の個人情報を匿名加工することによって,対象者が特定されないよう配慮した。
【目的】 内側型変形性膝関節症(以下,膝OA)では膝内反変形に対する代償として後足部外反が生じる。人工膝関節全置換術(以下,TKA)を施行するとHip-Knee-Ankle角(以下,HKA角)の変化に伴い,後足部外反角は減少することが知られている。しかし,静的および動的足部アーチ構造の変化に関する報告は少ない。本研究の目的はTKA前後における足部アライメントの変化を明らかにし,リハビリテーションへの示唆を検討することである。
【方法】 対象は2025年7月から2026年4月までに,当院にてTKAを施行し,手術前後で足部アライメントを測定可能であった14例14膝(男性4例,女性10例)とした。平均年齢は74.6歳(60-84),平均BMIは25.5±5.8,変形性膝関節の病期分類(Kellgren-Lawrence分類)はGradeⅢ:1例 GradeⅣ:13例であった。全例ロボット支援TKA(ROSA Knee System)を用い,インプラントはCR型を使用した。測定項目はLeg Heel Angle(以下,LHA:後足部アライメント),Navicular Drop Test(以下,NDT:動的内側縦アーチ機能),Arch Height Ratio(以下,AHR:静的内側縦アーチ高),HKA角とした。測定時期は術前および術後1ヶ月(以下,術後)とした。分析方法は術前と術後の各測定値を対応のあるt検定にて比較検討した。HKA角とLHAにおいて,術前から術後の変化量の関連性を相関分析にて検討した。統計学的処理は,統計ソフトR4.2.2を使用し,有意水準は5%とした。
【結果】LHAは術前5.4±3.1°から術後3.9±1.8°へ有意に外反角が減少した(p<0.05)。NDTは術前0.86±0.4,術後0.69±0.3,AHRは術前0.29±0.1,術後0.34±0.1であり有意な変化を認めなかった。HKA角は術前10.76±4.4°(内反),術後1.84±0.9°(内反)であった。HKA角とLHAの変化量は,8.92±4.1°と-1.45±1.7°であった。この2変数間のPearsonの積率相関係数r=0.34であり有意な相関関係は認めなかった。
【考察】TKAにより下肢機械的アライメントが矯正された結果,内反膝に伴う後足部外反の代償が軽減した可能性が示唆された。HKA角に対するLHAの変化量は,個々の後足部および距骨下関節の可動性の影響を受けている可能性が考えられた。後足部アライメントは膝矯正に追従して変化するが,内側縦アーチ構造を反映するNDTおよびAHRは変化せず,足部アーチは膝アライメントとは独立した構造的特性を有すると考えられた。臨床的には,術後早期からの荷重位でのアライメント再学習や歩行再教育が重要であるが,扁平足傾向やアーチ機能低下を有する症例では足部内在筋強化など個別介入が必要である可能性が示唆された。
【目的】 内側型変形性膝関節症(以下,膝OA)では膝内反変形に対する代償として後足部外反が生じる。人工膝関節全置換術(以下,TKA)を施行するとHip-Knee-Ankle角(以下,HKA角)の変化に伴い,後足部外反角は減少することが知られている。しかし,静的および動的足部アーチ構造の変化に関する報告は少ない。本研究の目的はTKA前後における足部アライメントの変化を明らかにし,リハビリテーションへの示唆を検討することである。
【方法】 対象は2025年7月から2026年4月までに,当院にてTKAを施行し,手術前後で足部アライメントを測定可能であった14例14膝(男性4例,女性10例)とした。平均年齢は74.6歳(60-84),平均BMIは25.5±5.8,変形性膝関節の病期分類(Kellgren-Lawrence分類)はGradeⅢ:1例 GradeⅣ:13例であった。全例ロボット支援TKA(ROSA Knee System)を用い,インプラントはCR型を使用した。測定項目はLeg Heel Angle(以下,LHA:後足部アライメント),Navicular Drop Test(以下,NDT:動的内側縦アーチ機能),Arch Height Ratio(以下,AHR:静的内側縦アーチ高),HKA角とした。測定時期は術前および術後1ヶ月(以下,術後)とした。分析方法は術前と術後の各測定値を対応のあるt検定にて比較検討した。HKA角とLHAにおいて,術前から術後の変化量の関連性を相関分析にて検討した。統計学的処理は,統計ソフトR4.2.2を使用し,有意水準は5%とした。
【結果】LHAは術前5.4±3.1°から術後3.9±1.8°へ有意に外反角が減少した(p<0.05)。NDTは術前0.86±0.4,術後0.69±0.3,AHRは術前0.29±0.1,術後0.34±0.1であり有意な変化を認めなかった。HKA角は術前10.76±4.4°(内反),術後1.84±0.9°(内反)であった。HKA角とLHAの変化量は,8.92±4.1°と-1.45±1.7°であった。この2変数間のPearsonの積率相関係数r=0.34であり有意な相関関係は認めなかった。
【考察】TKAにより下肢機械的アライメントが矯正された結果,内反膝に伴う後足部外反の代償が軽減した可能性が示唆された。HKA角に対するLHAの変化量は,個々の後足部および距骨下関節の可動性の影響を受けている可能性が考えられた。後足部アライメントは膝矯正に追従して変化するが,内側縦アーチ構造を反映するNDTおよびAHRは変化せず,足部アーチは膝アライメントとは独立した構造的特性を有すると考えられた。臨床的には,術後早期からの荷重位でのアライメント再学習や歩行再教育が重要であるが,扁平足傾向やアーチ機能低下を有する症例では足部内在筋強化など個別介入が必要である可能性が示唆された。
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