講演情報
[O-7-04]期間限定の在宅復帰を見据えた支援により在宅療養に至った重度片麻痺症例
*河埜 壮馬1、黒木 裕亮1、中原 寿志1、田上 茂雄1、柚木 直也1 (1. 医療法人 魁成会 宮永病院)
キーワード:
重度片麻痺、家族指導、在宅復帰
今回の介入にあたり、症例の個人情報とプライバシーの保護に配慮し、十分な説明を行ったあとに口頭および書面で同意を得た。
【目的】
脳卒中後に重度片麻痺に加え高次脳機能障害を有する症例はADLに多くの支援や介助を必要とする例が多く生活場面への汎化が阻害され在宅復帰支援は難渋する。今回、脳出血を発症し、重度片麻痺と高次脳機能障害を呈した症例を経験した。入院時より家族は在宅復帰を希望したため、複数回にかけて家族指導を導入し、生活場面を見据えた介助方法の共有を行った。その結果、在宅復帰に至った経過について報告する。
【症例紹介】
84歳女性。脳出血により右片麻痺を呈し、第24病日で回復期病棟へ転院。Brunnstrom Recovery Stage(以下BRS)は上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅱ、重度感覚鈍麻であった。高次脳機能障害では運動性失語および選択性注意障害を認めた。起居・移乗動作ともに最大介助を要し、排泄動作は全介助。介入初期のFunctional Ambulation Categories(以下FAC)は0。Functional Independence Measure(以下FIM)は24点。家族は在宅復帰を希望していたが、介護に対する不安感が強かった。方向性は家族の意向もあり2週間だけ在宅退院しその後施設入所することとなった。そこで入院中に複数回にかけて家族に対して病状説明と介助方法の共有を実施し、担当セラピスト、看護師が連携して家族指導を導入した。
【経過】
第44病日に長下肢装具を作製し、立位・歩行練習および移乗動作練習を実施。第104病日より短下肢装具へカットダウンし病棟生活での使用を進めた。第97病日より家族指導を開始し、起居・移乗・排泄動作を中心に、1週間おきに計5回の指導を実施、期間を空けず集中的に行い介助方法の習得・定着に努めた。第172病日(退院時)はBRSと感覚障害に著変はなかったがFACは2。起居動作は中等度介助、移乗動作は軽介助レベル。排泄動作はポータブルトイレで中等度介助まで改善しFIMは53点。初回指導時と比較すると、指導側の口頭指示が減少し介助が円滑に遂行可能となり在宅退院に至った。その後一時的な在宅生活を送った後施設入所となり、現在はデイケア利用および福祉用具導入下で在宅復帰に至っている。
【考察】
回復期リハビリテーション病棟における重症患者に対する家族指導は在宅復帰に関連することが報告されている。本症例では長下肢装具を用いた動作練習により起居・移乗動作の土台形成を図った上で、複数回の在宅生活を想定した家族指導を実施した。その結果、2週間の在宅生活を経験するに至った。その後は施設入所となったが、期間限定であっても実際の在宅生活を経験したことで、家族が介助量や生活上の課題を把握でき、介護に対する不安軽減や介護受容に繋がった可能性が考えられた。その経験が最終的な在宅療養に向けた意思決定の一助となった可能性が示唆される。しかし、当院退院後の施設生活における支援内容や、在宅療養へ移行した要因については十分に追えておらず、本介入との直接的な関連については明らかではないことが限界点として挙げられる。
【まとめ】
重度片麻痺及び高次脳機能障害を有する症例に対し、複数回の家族指導で動作指導及び病状の共有を実施することで生活期における在宅生活支援へ繋がる可能性が示唆された。
【目的】
脳卒中後に重度片麻痺に加え高次脳機能障害を有する症例はADLに多くの支援や介助を必要とする例が多く生活場面への汎化が阻害され在宅復帰支援は難渋する。今回、脳出血を発症し、重度片麻痺と高次脳機能障害を呈した症例を経験した。入院時より家族は在宅復帰を希望したため、複数回にかけて家族指導を導入し、生活場面を見据えた介助方法の共有を行った。その結果、在宅復帰に至った経過について報告する。
【症例紹介】
84歳女性。脳出血により右片麻痺を呈し、第24病日で回復期病棟へ転院。Brunnstrom Recovery Stage(以下BRS)は上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅱ、重度感覚鈍麻であった。高次脳機能障害では運動性失語および選択性注意障害を認めた。起居・移乗動作ともに最大介助を要し、排泄動作は全介助。介入初期のFunctional Ambulation Categories(以下FAC)は0。Functional Independence Measure(以下FIM)は24点。家族は在宅復帰を希望していたが、介護に対する不安感が強かった。方向性は家族の意向もあり2週間だけ在宅退院しその後施設入所することとなった。そこで入院中に複数回にかけて家族に対して病状説明と介助方法の共有を実施し、担当セラピスト、看護師が連携して家族指導を導入した。
【経過】
第44病日に長下肢装具を作製し、立位・歩行練習および移乗動作練習を実施。第104病日より短下肢装具へカットダウンし病棟生活での使用を進めた。第97病日より家族指導を開始し、起居・移乗・排泄動作を中心に、1週間おきに計5回の指導を実施、期間を空けず集中的に行い介助方法の習得・定着に努めた。第172病日(退院時)はBRSと感覚障害に著変はなかったがFACは2。起居動作は中等度介助、移乗動作は軽介助レベル。排泄動作はポータブルトイレで中等度介助まで改善しFIMは53点。初回指導時と比較すると、指導側の口頭指示が減少し介助が円滑に遂行可能となり在宅退院に至った。その後一時的な在宅生活を送った後施設入所となり、現在はデイケア利用および福祉用具導入下で在宅復帰に至っている。
【考察】
回復期リハビリテーション病棟における重症患者に対する家族指導は在宅復帰に関連することが報告されている。本症例では長下肢装具を用いた動作練習により起居・移乗動作の土台形成を図った上で、複数回の在宅生活を想定した家族指導を実施した。その結果、2週間の在宅生活を経験するに至った。その後は施設入所となったが、期間限定であっても実際の在宅生活を経験したことで、家族が介助量や生活上の課題を把握でき、介護に対する不安軽減や介護受容に繋がった可能性が考えられた。その経験が最終的な在宅療養に向けた意思決定の一助となった可能性が示唆される。しかし、当院退院後の施設生活における支援内容や、在宅療養へ移行した要因については十分に追えておらず、本介入との直接的な関連については明らかではないことが限界点として挙げられる。
【まとめ】
重度片麻痺及び高次脳機能障害を有する症例に対し、複数回の家族指導で動作指導及び病状の共有を実施することで生活期における在宅生活支援へ繋がる可能性が示唆された。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
