講演情報
[O-9-02]生成AIを用いた文字起こし・要約支援ツール導入による介護現場の会議録作成業務効率化の検討
*落合 錠1、大野 源太1、鳥原 千夏子1、柳井 悠介1、多田 誠1、山本 純央1、田實 志穂1、仁田脇 翔吏1、吉田 暁生1 (1. 介護老人保健施設シルバーケア野崎)
キーワード:
生成AI、介護DX、業務効率化
【倫理的配慮、説明と同意】
対象者に対し研究目的、録音範囲、データ利用方法および匿名化手順について口頭および書面で説明し、同意を得て実施した。録音データは端末内で管理し、文字起こし後は速やかに削除した。また、個人情報保護に十分に配慮し、解析には匿名化資料を用いた。
【目的】
介護現場において理学療法士(以下、PT)を含むセラピストの業務は多様化し、記録業務の負担増大が課題となっている。特に記録作成に要する時間は臨床業務を圧迫し、業務効率の低下や時間外労働の一因となっている。近年、音声入力と生成AIによる自動要約機能を備えたツールが注目されているが、実際の介護現場における有効性の検証は十分ではない。本研究の目的は、Plaudアプリ導入前後で会議録作成時間、主観的負担および記録の質の変化を明らかにし、業務効率化への影響を検討することである。
【方法】
本研究は前後比較研究とし、介護施設および通所・訪問リハビリテーションに勤務するPT4名、作業療法士3名を対象とした。導入前2週間は従来の方法で会議録作成を行い、その後1週間の慣らし期間を設け、導入後2週間はPlaudアプリを用いた音声入力による作成を実施した。主要評価項目は会議録作成時間とし、副次評価項目として、記録修正回数、主観的負担(NRS)、使いやすさおよび満足度(Likert尺度)を評価した。さらに記録の質については、多職種間での情報共有の観点から、同施設に属する経験年数5年以上の看護師、介護士など他職種職員5名が匿名化資料を用いて評価し、評価基準を事前に共有した。統計解析はRコマンダー4.5.3を用い、導入前後の比較としてWilcoxon符号付順位検定を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
会議録作成時間は30(20-35)分から10(7.5-10)分へと有意に短縮した(p<0.05)。また記録修正回数も3(2-4)回から1(0.5-1)回へと減少し有意差を認めた(p<0.01)。会議録作成に関する主観的負担は7(7-7.5)から2(1-2.5)へと有意に低下し(p<0.05)、「やや使いやすい」「やや満足である」以上と回答した者は70%以上であった。さらに記録の質に関しては網羅性および可読性の項目で改善傾向を認めた。
【考察】
Plaudアプリによる音声入力および生成AIの文字起こし・要約支援は、会議録作成における情報整理や文章化の負担を軽減し、セラピストが臨床業務や対人支援に充てる時間的余裕につながる可能性が示唆された。また記録内容の構造化が進むことで文書の可読性が向上し、多職種間での情報共有の円滑化にも寄与した可能性がある。先行研究においても音声認識技術の導入は医療従事者の記録時間短縮や業務効率の改善に寄与することが報告されており、本研究結果はこれらを支持するものである。さらに電子カルテにおける記録負担はバーンアウトの要因ともされており、AI支援による記録効率化は心理的負担軽減にも寄与する可能性がある。一方で単施設研究である点やサンプル数の制限、ITリテラシーの個人差の影響に加え個人情報管理や運用ルール整備の必要性が今後の課題として挙げられる。
【まとめ】
生成AIを活用した音声記録支援ツールの導入は、セラピストの文書業務の効率化および主観的負担の軽減に有用であり、今後の介護現場でのデジタル活用の一助となる可能性が示唆された。
対象者に対し研究目的、録音範囲、データ利用方法および匿名化手順について口頭および書面で説明し、同意を得て実施した。録音データは端末内で管理し、文字起こし後は速やかに削除した。また、個人情報保護に十分に配慮し、解析には匿名化資料を用いた。
【目的】
介護現場において理学療法士(以下、PT)を含むセラピストの業務は多様化し、記録業務の負担増大が課題となっている。特に記録作成に要する時間は臨床業務を圧迫し、業務効率の低下や時間外労働の一因となっている。近年、音声入力と生成AIによる自動要約機能を備えたツールが注目されているが、実際の介護現場における有効性の検証は十分ではない。本研究の目的は、Plaudアプリ導入前後で会議録作成時間、主観的負担および記録の質の変化を明らかにし、業務効率化への影響を検討することである。
【方法】
本研究は前後比較研究とし、介護施設および通所・訪問リハビリテーションに勤務するPT4名、作業療法士3名を対象とした。導入前2週間は従来の方法で会議録作成を行い、その後1週間の慣らし期間を設け、導入後2週間はPlaudアプリを用いた音声入力による作成を実施した。主要評価項目は会議録作成時間とし、副次評価項目として、記録修正回数、主観的負担(NRS)、使いやすさおよび満足度(Likert尺度)を評価した。さらに記録の質については、多職種間での情報共有の観点から、同施設に属する経験年数5年以上の看護師、介護士など他職種職員5名が匿名化資料を用いて評価し、評価基準を事前に共有した。統計解析はRコマンダー4.5.3を用い、導入前後の比較としてWilcoxon符号付順位検定を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
会議録作成時間は30(20-35)分から10(7.5-10)分へと有意に短縮した(p<0.05)。また記録修正回数も3(2-4)回から1(0.5-1)回へと減少し有意差を認めた(p<0.01)。会議録作成に関する主観的負担は7(7-7.5)から2(1-2.5)へと有意に低下し(p<0.05)、「やや使いやすい」「やや満足である」以上と回答した者は70%以上であった。さらに記録の質に関しては網羅性および可読性の項目で改善傾向を認めた。
【考察】
Plaudアプリによる音声入力および生成AIの文字起こし・要約支援は、会議録作成における情報整理や文章化の負担を軽減し、セラピストが臨床業務や対人支援に充てる時間的余裕につながる可能性が示唆された。また記録内容の構造化が進むことで文書の可読性が向上し、多職種間での情報共有の円滑化にも寄与した可能性がある。先行研究においても音声認識技術の導入は医療従事者の記録時間短縮や業務効率の改善に寄与することが報告されており、本研究結果はこれらを支持するものである。さらに電子カルテにおける記録負担はバーンアウトの要因ともされており、AI支援による記録効率化は心理的負担軽減にも寄与する可能性がある。一方で単施設研究である点やサンプル数の制限、ITリテラシーの個人差の影響に加え個人情報管理や運用ルール整備の必要性が今後の課題として挙げられる。
【まとめ】
生成AIを活用した音声記録支援ツールの導入は、セラピストの文書業務の効率化および主観的負担の軽減に有用であり、今後の介護現場でのデジタル活用の一助となる可能性が示唆された。
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