講演情報
[P-13-03]大腿骨転子部骨折を受傷した脳梗塞を既往にもつ高齢患者の体幹機能に対する促通反復療法の効果
*藤田 優1、向井 大輔1、山口 純平1、早川 亜津子1、高尾 尊身2 (1. 社会医療法人義順顕彰会種子島医療センターリハビリテーション室、2. 社会医療法人義順顕彰会種子島医療センターリハビリテーション科)
キーワード:
促通反復療法、体幹機能、高齢患者
当院の医の倫理審査会の承認を得て(種倫R8-1号),患者・家族に書面をもって同意を得た.
【目的】 近年,脳梗塞を既往にもち大腿骨骨折を受傷する症例が増加している.今回,脳梗塞を2回発症した大腿骨転子部骨折高齢患者の体幹機能に着目し促通反復療法を実施し良好な結果を得たため報告する. 【症例紹介】 85歳女性.身長142㎝.体重33.0㎏.BMI16.4. 現病歴:X-249日,左アテローム血栓性脳梗塞を発症し14日後に再梗塞を発症.基本動作全介助,ADL全介助となったが,体幹・下肢への促通反復療法を実施し歩行器歩行の獲得,トイレ動作の獲得し自宅退院することができた.今回,X日に右大腿骨転子部骨折を受傷.X+5日に髄内釘固定術を実施. 【経過】 初回評価(X+6~8日) MMT(R/L):股関節屈曲(1/4)伸展(1/3)外転(1/3)膝関節伸展(1/4) 体幹屈曲(1)回旋(1/1) ROM-T(°): 右股関節屈曲(75)/伸展(-20) 疼痛部位:鼠径部NRS:安静時7 動作時10 TCT(点):24 BBS:0 Brs(右上肢/手指/下肢):Ⅳ/Ⅳ/Ⅴ FIM(運動項目/認知項目)(点):20/14 初期評価より,安静時・動作時の疼痛,股関節可動域制限,体幹機能低下,両下肢筋力低下を認めた.そのため理学療法として,関節可動域練習,筋力増強練習,ストレッチ,起立練習など下肢に対するアプローチを実施.並行して体幹の促通反復療法を実施.X+23日,立位保持や移乗動作に向上がみられ車椅子でのトイレ誘導を開始した.X+36日,見守り下での歩行器移動を開始した.さらに理学療法は,段階的に四つ這いやニーリングなどの姿勢練習,独歩練習を実施した.X+55日,居宅訓練を実施し家族と介助練習,動作時の注意点を確認した. 最終評価(X+61日) MMT(R/L):股関節屈曲(4/4)伸展(3/3)外転(3/4)膝関節伸展(4/5) 体幹屈曲(3) 回旋(3/2) ROM-T(°): 右股関節屈曲(115)/伸展(10) 疼痛部位:鼠径部NRS:安静時0 動作時0 TCT(点):100 FACT(点):17点 BBS:43 片脚立位:右3秒 左8秒 10MWT歩行率(歩行器)至適:0.80 最大:1.01 TUG(秒):23.85 Brs:Ⅳ/Ⅳ/Ⅴ FIM(点):57/14 退院後評価(X+151日) MMT(R/L):股関節屈曲(4/4)伸展(2/3)外転(2/3) 膝関節伸展(4/5) 体幹屈曲(3) 回旋(3/3) ROM-T(°): 右股関節屈曲(115)/伸展(10) 疼痛NRS:安静時0 動作時0 TCT(点):100 FACT(点):17 BBS:43 片脚立位:右2秒 左6秒 10MWT歩行率(歩行器)至適:0.71 最大:0.91 TUG(秒):22.72 Brs:Ⅳ/Ⅳ/Ⅴ 【考察】 促通反復療法は,徒手的な促通手技を用い患者に意図した自動運動を実現させ,その反復により運動性下行路の再建・強化を図り麻痺の回復を目指すものである.また,体幹の促通手技は,脳卒中片麻痺患者の体幹能力や歩行能力の改善を促進させることが報告されている.今回の症例では,歩行器歩行,トイレ動作自立を再獲得し自宅退院することができた.既往に脳梗塞を持つ大腿骨骨折患者に対して体幹機能向上を促す促通反復療法は有用であることが示唆された.
【目的】 近年,脳梗塞を既往にもち大腿骨骨折を受傷する症例が増加している.今回,脳梗塞を2回発症した大腿骨転子部骨折高齢患者の体幹機能に着目し促通反復療法を実施し良好な結果を得たため報告する. 【症例紹介】 85歳女性.身長142㎝.体重33.0㎏.BMI16.4. 現病歴:X-249日,左アテローム血栓性脳梗塞を発症し14日後に再梗塞を発症.基本動作全介助,ADL全介助となったが,体幹・下肢への促通反復療法を実施し歩行器歩行の獲得,トイレ動作の獲得し自宅退院することができた.今回,X日に右大腿骨転子部骨折を受傷.X+5日に髄内釘固定術を実施. 【経過】 初回評価(X+6~8日) MMT(R/L):股関節屈曲(1/4)伸展(1/3)外転(1/3)膝関節伸展(1/4) 体幹屈曲(1)回旋(1/1) ROM-T(°): 右股関節屈曲(75)/伸展(-20) 疼痛部位:鼠径部NRS:安静時7 動作時10 TCT(点):24 BBS:0 Brs(右上肢/手指/下肢):Ⅳ/Ⅳ/Ⅴ FIM(運動項目/認知項目)(点):20/14 初期評価より,安静時・動作時の疼痛,股関節可動域制限,体幹機能低下,両下肢筋力低下を認めた.そのため理学療法として,関節可動域練習,筋力増強練習,ストレッチ,起立練習など下肢に対するアプローチを実施.並行して体幹の促通反復療法を実施.X+23日,立位保持や移乗動作に向上がみられ車椅子でのトイレ誘導を開始した.X+36日,見守り下での歩行器移動を開始した.さらに理学療法は,段階的に四つ這いやニーリングなどの姿勢練習,独歩練習を実施した.X+55日,居宅訓練を実施し家族と介助練習,動作時の注意点を確認した. 最終評価(X+61日) MMT(R/L):股関節屈曲(4/4)伸展(3/3)外転(3/4)膝関節伸展(4/5) 体幹屈曲(3) 回旋(3/2) ROM-T(°): 右股関節屈曲(115)/伸展(10) 疼痛部位:鼠径部NRS:安静時0 動作時0 TCT(点):100 FACT(点):17点 BBS:43 片脚立位:右3秒 左8秒 10MWT歩行率(歩行器)至適:0.80 最大:1.01 TUG(秒):23.85 Brs:Ⅳ/Ⅳ/Ⅴ FIM(点):57/14 退院後評価(X+151日) MMT(R/L):股関節屈曲(4/4)伸展(2/3)外転(2/3) 膝関節伸展(4/5) 体幹屈曲(3) 回旋(3/3) ROM-T(°): 右股関節屈曲(115)/伸展(10) 疼痛NRS:安静時0 動作時0 TCT(点):100 FACT(点):17 BBS:43 片脚立位:右2秒 左6秒 10MWT歩行率(歩行器)至適:0.71 最大:0.91 TUG(秒):22.72 Brs:Ⅳ/Ⅳ/Ⅴ 【考察】 促通反復療法は,徒手的な促通手技を用い患者に意図した自動運動を実現させ,その反復により運動性下行路の再建・強化を図り麻痺の回復を目指すものである.また,体幹の促通手技は,脳卒中片麻痺患者の体幹能力や歩行能力の改善を促進させることが報告されている.今回の症例では,歩行器歩行,トイレ動作自立を再獲得し自宅退院することができた.既往に脳梗塞を持つ大腿骨骨折患者に対して体幹機能向上を促す促通反復療法は有用であることが示唆された.
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