講演情報

[P-13-04]荷重非対称性改善に着目した左大腿骨頸部骨折の一例
-既往に脳梗塞を有するケース-

*菊田 凜平1、中山 慎也1、永井 博規1 (1. JCHO宮崎江南病院 リハビリテーション部)
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キーワード:

荷重非対称性、深部感覚、大腿骨頸部骨折

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【はじめに】
今回、左上腕骨近位端骨折・左大腿骨頸部骨折を呈した症例を担当した。患者は既往に脳梗塞があり、介入時より立位及び歩行時に左右の荷重非対称性を有していた。今回左右の荷重非対称性改善に向けて深部感覚障害を考慮しつつ多角的なアプローチを行い改善が見られたためここに報告する。
【症例紹介】
80歳代女性、自宅にて一過性の意識消失あり転倒し左上腕骨近位端骨折受傷、翌日にT2nail試行、入院28日目に病室内で尻餅をつき左大腿骨頸部骨折(Garden分類Ⅳ)を受傷、翌日に人工骨頭置換術を施行した。48歳で脳梗塞による左不全麻痺の既往があった。Demandは、杖での自宅復帰であった。今回受傷日をX日とし、X +25日を初期評価、X+40日を中間評価、X+60日を最終評価とした。
【経過】
初期評価では、左股関節屈曲可動域は95°で、最終域にて疼痛あり、左股関節伸展は5°。徒手筋力評価(右/左)では、股屈曲4/3股外転4/2膝伸展4/2と、全体的な筋力低下を認めた。疼痛評価(Numberical Rating Scale)では荷重時に6/10、左不全麻痺に対するBrunstromステージは上肢Ⅴ手肢Ⅵ手指Ⅵであった。体重計使用した立位最大荷重量(右/左)は43㎏/27㎏であり、非術側に骨盤を傾斜させた立位姿勢であった。歩容では、患側立脚期での骨盤側方動揺とトレンデレンブルグ歩行を認めた。初期評価より患側下肢への荷重不良に着目し、股関節周囲筋の筋力低下が荷重非対称性に最も影響していると考え、介入を進めた。大臀筋強化を目的としたヒップリフトや階段昇降、中臀筋強化を目的とした側臥位外転運動やクラムexを行った。結果としてメニューに対する動作は可能になったが、著名な荷重非対称性改善には至らなかった。X+40日後に患者より足趾部の荷重感覚不明瞭さ訴えあり中間評価を行った。左環趾小趾位置覚検査2/5(正当数)Romnerg徴候(+)足底表在感覚軽度鈍麻であった。この結果から、既往の脳梗塞後の深部感覚障害や表在感覚低下が荷重非対称性に繋がったと考え、深部感覚障害に対するアプローチも追加。介入内容は、姿勢鏡や体重計にて視覚を用いた荷重状況の確認や、バランスマット上での立位exやボールを用いて荷重感覚のフィードバックを行なった。X+60日後の最終評価では、左股関節屈曲可動域115°、伸展15°、徒手筋力評価(右/左)では股屈曲4/3、股外転4/3、膝伸展4/4と改善、静的最大荷重量(右/左)は43㎏/40㎏と増加、左環趾小趾位置覚検査では4/5(正当数)と改善を認めた。
【考察】
股関節周囲筋の筋力強化による骨盤側方安定性の獲得に加え視覚や触覚を用いた感覚フィードバックによる深部感覚の再学習などの多方面からの介入が更なる荷重非対称性の改善に繋がったと考える。
【結論】
今回の介入では、既往の脳梗塞による深部感覚障害が荷重非対称性に影響している可能性が考えられた。介入過程での再評価の重要性を感じ、多角的なリハ介入が荷重能力及び歩容の改善に影響したと考える。今後も既往や患者からの訴えを取り入れたリハ介入を展開していきたい。

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