講演情報

[P-17-01]内側開大式脛骨粗面下骨切り術後1年の6分間歩行テストに影響する術前因子の検討

*桑原 亘希1、本田 遼太郎1、西村 勇輝1、河瀬 慶大1、松本 穂香1、舌間 崇士2、舌間 寛士2 (1. 医療法人至高会 舌間整形外科 リハビリテーション部、2. 医療法人至高会 舌間整形外科)
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キーワード:

内側開大式脛骨粗面下骨切り術、6分間歩行テスト、術前因子

【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言の趣旨に従い実施し、対象者へ本研究の目的、方法を十分に説明し同意を得た。

【目的】
膝関節術後のリハビリテーションにおいて、自宅に退院してからも地域内外の歩行能力を向上することが重要である。当院では、内側コンパートメントのみ損傷を認める膝関節に対して内側開大式脛骨粗面下骨切り術 (以下:DTO)を年齢や生活背景を考慮し施行している。DTOは、膝関節機能や歩行能力の改善が期待される術式であるが、術後の歩行能力にて長期の運動耐容能に影響する術前因子については、十分に検討されていない。本研究の目的はDTO後1年時の6分間歩行テスト(以下:6MWT)に関連する術前因子を明らかにすることである。

【方法】
対象は、2020年〜2024年に当院にてDTOを施行し、術前からDTO後1年に評価を行えた12名12膝、(年齢59.1±10.0歳、男性6名、女性6名、BMI:25.0±3.8㎏/m²)とした。評価項目は、動作時痛、膝関節屈曲・伸展筋力、膝関節可動域、6MWT、10m歩行テスト(以下:10MWT)、Time Up and Go Test、5回立ち上がりテスト、Pain catastrophizing scale(以下:PCS)、Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score(以下:Koos)とした。筋力は、術側の膝関節伸展・屈曲筋力をμTas-F1を用い、最大等尺性筋力を測定し体重にて除した膝関節体重比とした。動作時痛はVisual analogue scaleで測定し、膝関節可動域は、他動的に測定した。統計処理は、術前及びDTO後1年の比較をWilcoxonの符号付き順位検定を用い比較、DTO後1年の6MWTに関連する術前因子をSpearmanの順位相関係数を用いて解析した。なお、有意水準は5%未満とした。

【結果】
6MWTは、術前:454.1±80.8mからDTO後1年:519.3±76.7mであり、術前と比べDTO後1年に有意な増加が認められた(p <0.01)。また、DTO後1年の6MWTに関連する術前因子として、10MWT(r=-0.80)、6MWT(r=0.87)、術側の膝関節屈曲筋力(r=0.69)、PCS無力感(r=-0.69)、Koos-QOL(r=0.67)、Koos-ADL (r=0.61)に各相関関係に有意な相関が認められ、その他の項目では相関を認めなかった。

【考察】
本研究では、DTO後1年時点の6MWTの改善を認め、術後の運動耐容能向上が示唆された。特に術前6MWTおよび10MWTとの関連が強かったことから術前の移動能力が長期予後に影響する可能性がある。また、膝屈曲筋力やPCS無力感、Koosとの関連を認めたことから身体機能のみならず心理面や主観的評価も術後の運動耐容能に影響する可能性が示唆された。術前から身体機能と心理面の双方へ介入する重要性が考えられる。

【まとめ】
DTO後1年の6MWTには、術前の歩行能力、膝関節屈曲筋力、PCS無力感、Koosの下位尺度であるADL、QOLが関連する可能性が示唆された。術前からの評価および早期介入の重要性が示唆された。

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