講演情報

[P-18-02]外来男性COPD患者の運動耐容能と体幹骨格筋指数との関係

*末永 拓也1,2、堀江 淳3、松本 雄次1、小谷 将太4、加藤 剛1、大田尾 浩2 (1. かとうクリニック内科・呼吸器内科 リハビリテーション室、2. 西九州大学大学院 生活支援科学研究科 保健医療学専攻、3. 京都橘大学 健康科学部 理学療法学科、4. 神戸国際大学 リハビリテーション学部 理学療法学科)
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キーワード:

COPD、最大仕事量(PWR)、体幹骨格筋指数(TSMI)

本研究は,ヘルシンキ宣言の精神に基づき実施した。対象者には研究の趣旨・内容および個人情報の取り扱いについて書面および口頭で説明した。研究への参加は自由意志であり,不参加でも不利益にならないことを説明した。本研究は当院の倫理審査委員会の承認を得て実施した。(承認番号:2025001)

【目的】慢性閉塞性肺疾患(COPD)は呼吸困難感による不活動から運動耐容能が低下する。運動耐容能の低下は死亡や入院リスクの増加など負の転帰と関連する。近年同じく,体幹骨格筋指数(Trunk Skeletal Muscle Index:TSMI)もCOPD患者の急性増悪の独立したリスク因子として報告されている。両者はいずれも予後に関わる指標であるが,その関係性についてはこれまで十分に検討されていない。我々は,この負の転帰を予測する指標間には関係があるのではないかと仮説を立てた。TSMIは生体電気インピーダンス法(BIA法)により簡便に測定可能であり,臨床応用の観点からもその測定意義は大きい。本研究の目的は,外来男性COPD患者における運動耐容能の指標である最大仕事量(Peak Work Rate:PWR)とTSMIの関係を明らかにすることとした。

【方法】外来男性COPD患者を対象とした横断研究である。基本情報は,年齢,身長,体重,BMI,%FEV1,%FVC,GOLDの病期分類,GOLDのABE分類,MMSEを評価した。運動耐容能はPWRで評価した。体組成評価はTSMI,体脂肪率をInbody270で評価した。身体機能はmMRC息切れスケール,握力,体重比膝伸展筋力を評価した。統計解析はPWRと各測定項目間の相関をPearsonの積率相関係数を用いて検討した。その後,Model 1としてPWRを従属変数,TSMIを独立変数とした単回帰分析を行った。Model 2として,共変量と考えられる,%FEV1.0,体脂肪率,mMRC息切れスケール,年齢を投入した重回帰分析を行った。統計学的有意水準は5%とした。

【結果】解析対象者は外来男性COPD患者49名(平均±標準偏差:70.7±7.0歳)であった。相関分析の結果,PWRとTSMIの間には相関があった(r=0.65,p<0.001)。Model 1の結果,PWRとTSMI(標準化係数β:0.65,p<0.001)には関係があった。共変量を投入したModel 2においてもPWRとTSMI(標準化係数β:0.34,p=0.011)の関係は堅持された。

【考察】外来男性COPD患者のTSMIは運動耐容能の指標であるPWRと関係していた。この関係は共変量を投入した後でも堅持された。COPDでは過膨張により横隔膜が平低化・短縮し,吸気筋力が低下する。加えて,気道閉塞により腹筋群などの呼気補助筋が運動時に早期から活性化され,呼吸仕事量が増大することが報告されている。またCOPD患者では脊柱起立筋断面積が最大運動時のVO₂と正の相関を示すことも報告されており,体幹筋量と運動耐容能の間に関連があることが示唆されている。このようなCOPD患者特有の病態によって,体幹の骨格筋量が少ないと換気需要に応答することが困難となり,呼吸困難感が生じるため,運動耐容能の指標であるPWRとTSMIに関係がみられたのではないかと推察した。

【結論】外来男性COPDにおいて,TSMIはPWRの独立した関係因子であった。運動耐容能が低下している外来男性COPD患者には,呼吸機能や息切れのみではなく,体幹筋量の評価,アプローチする必要性が示唆された。

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