講演情報

[P-4-03]脆弱性骨盤骨折患者における起居動作自立日数と回復期リハ病棟退院時における歩行能力の関係

*米村 翔太1、泉 清徳1、斎藤 孝英1、前田 亮介3、岡崎 慎吾2 (1. 社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 リハビリテーション室、2. 社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 整形外科、3. 社会医療法人 雪の聖母会 聖マリアヘルスケアセンター)
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キーワード:

脆弱性骨盤骨折、起居動作自立日数、歩行能力

ヘルシンキ宣言に従い、当院ホームページによるオプトアウトを行い、研究概要を公開し対象者が研究対象になることを拒否できる機会を設けた。また本研究は所属機関の倫理委員会の承認を受けて実施した。(研23-1212)

【目的】
脆弱性骨盤骨折は骨脆弱性に起因する骨折であり、高齢化社会に伴い近年増加している。脳卒中患者では起居動作自立日数が早ければ歩行予後が良いと報告があるが、脆弱性骨盤骨折患者においても自立日数が早いほど予後が良いと臨床的に体感している。しかし脆弱性骨盤骨折において起居動作自立日数と歩行予後との関連については明らかにされていない。本研究では、脆弱性骨盤骨折患者を対象に起居動作自立日数と歩行予後との関係性があるかを検討することを目的とした。
【方法】
電子カルテのデータより後方視的に調査を行った。2018年4月から2026年3月まで当院急性期から回復期リハビリ病棟を経て退院した患者を対象とした。骨盤骨折のうち脆弱性骨盤骨折と診断された者、年齢75歳以上の者、保存療法となった者を選択基準とした。また受傷前より車いすの者、改定長谷川式簡易知能評価スケール(以下HDS-R)点数20点以下の症例を除外基準とした、38例(男性6名、女性32名、平均年齢80.4±7.7)が対象となった。調査項目は年齢、性別、Rommens分類、HDS-R、起居動作自立日数、疼痛の有無、MMT(両側腸腰筋、大腿四頭筋)、ROM(股関節屈曲角度)、受傷前歩行形態、退院時歩行形態とした。なお歩行形態については独歩を1、杖歩行2、四輪歩行車歩行3、歩行器歩行4としRommens分類については当院整形外科医が分類した。
起居動作自立日数と退院時歩行形態の相関関係について検定。
一般的に歩行予後にはMMT、疼痛が関係しているということから臨床的な重要性を鑑み、起居動作自立日数、疼痛の有無、MMTの3因子を独立変数とし退院時歩行形態を従属変数として重回帰分析を行った。統計解析には改変Rコマンダー(Ver4.4.1)を使用し全ての検定の有意水準は5%とした。
【結果】
起居動作自立日数と退院時歩行形態の相関関係についてはやや相関が認められた。(p<0.05,ρ=0.452)。                                 重回帰分析の結果、起居動作自立日数だけが退院時歩行形態と有意に影響していた(β=0.379,95%CI[0.03,0.72], p<0.05, R²=0.26)。なお疼痛の有無、MMTに関しては有意に影響しなかった。また多重共線性に問題がないこと確認した。
【考察】
本研究において脆弱性骨盤骨折患者における起居動作自立日数は退院時歩行形態とやや相関がみられた。また重回帰分析では起居動作自立日数は退院時歩行形態に対して有意に影響することから歩行予後予測の一助となることが示唆された。つまり起居動作自立日数が短いほど退院時歩行能力が良いと考えられる。疼痛の有無、MMTは有意差が認められなかった。一般的には痛み、MMTは歩行予後予測に影響を与えているといわれている。しかし今回サンプル数少ないこともあり影響を慎重に判断する必要があると考える。

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