講演情報
[P-4-04]腰椎圧迫骨折患者において,入院中の予測と退院後生活との乖離から退院支援の課題が明らかとなった症例
*柴田 紗代子1、田中 拓樹1 (1. 百年橋リハビリテーション病院 リハビリテーション部)
キーワード:
腰部痛、動作指導、退院支援
対象者には十分な説明により同意を取得し,ヘルシンキ宣言の元,本研究を行った.
【目的】 本症例は,入院中に身体機能の改善が得られ,退院後の生活を想定した予測および退院支援を行った.しかし退院後に訪問リハビリに同行することで予測と実際の生活との乖離を認め,退院支援の課題が明らかとなったため報告する. 【症例紹介】 80歳代女性.診断名:第2腰椎圧迫骨折(診断日=X),SQ法グレード2,後壁は保たれており神経症状無.身長148cm,体重57.3kg,BMI26.2kg/m².YAM値:腰椎61%.病前は介護保険サービス利用(要支援2)・生活保護受給しながら独居生活.月2回の外出自立.買い物や家事は訪問介護の支援.前院で肝細胞癌治療での入院8日目に誘因無く腰痛出現し上記診断で保存療法.受傷3週後にリハビリ加療目的で当院回復期病棟に紹介入院.依存的で心配性な性格.Demandは早く入院前と同じ状態まで戻りたい. HDS-R:16/30点.NRS:体動時,腰背部に5~7.MMT:股関節屈曲3/4,膝関節伸展3/4.10m歩行(快適速度):前腕支持型歩行器にて36.9秒(31歩).6分間歩行:前腕支持型歩行器にて60m.BBS:26/56点.FIM:57/126点 【経過】 X+22日より理学療法を開始し,順次,屋内前腕支持型歩行器自立,屋外手掌把持型歩行器(以下歩行器)歩行40分見守りとなっていった.X+63日に自宅へ同行し動作確認.自宅前段差昇降や浴槽跨ぎ,洗濯物干しに介助が必要であったため,入浴はシャワー浴,家事や外出は訪問介護の支援継続を提案.屋内移動は一本杖+伝い歩き,屋外は付き添い下の歩行器歩行を目標とした.自宅への外出後より腰部痛増強し離床機会減少.退院前カンファレンスにて,訪問リハビリ導入および将来的な通所介護への移行を提案(区分変更後要介護2).訪問介護の回数増加を提案したが,現状のままとなりX+80日自宅退院.退院時は HDS-R:27/30点.NRS:体動時,腰背部に2~4.MMT:股関節屈曲4/4,膝関節伸展4/5.10m歩行(快適速度):歩行器にて13.5秒(21歩).6分間歩行:歩行器にて272m.BBS:40/56点.FIM:112/126点と改善した.退院後,自身で行わない予定であった洗濯物干しや調理,浴槽の使用,また一人での買い物(休憩含め往復4時間)を行っていた.さらにX+93日に新幹線で他県へ外出し,その後の訪問リハビリ同行時も腰部痛増強(NRS7)しており,コンディショニング中心であった. 【考察】 脊椎圧迫骨折において80歳代以上が腰痛持続しやすいと報告されている.本症例も年齢や急性期期間の安静による筋萎縮,また疼痛の変動から当院での運動量不十分,さらに退院後に家事や外出を1人で行うといった予測と異なる動きにより腰部痛が悪化したと考えられる.想定していた入院期間より早期の退院希望があり,入院中は基本動作の改善や外出方法に重点を置いた評価・アプローチに留まり,退院後の生活場面における動作指導や環境設定が不足していた.そのため病前よりもさらに支援が必要であったにも関わらず介護保険サービスの見直しに至らなかった結果,病前同様の訪問介護では支援しきれず本人が動作自立せざるを得なかったことが考えられる.退院前カンファレンスにて現状を十分に伝え,介護保険サービス見直しの徹底や自宅環境に合わせた動作練習,入院期間延長の検討が課題として挙げられた.
【目的】 本症例は,入院中に身体機能の改善が得られ,退院後の生活を想定した予測および退院支援を行った.しかし退院後に訪問リハビリに同行することで予測と実際の生活との乖離を認め,退院支援の課題が明らかとなったため報告する. 【症例紹介】 80歳代女性.診断名:第2腰椎圧迫骨折(診断日=X),SQ法グレード2,後壁は保たれており神経症状無.身長148cm,体重57.3kg,BMI26.2kg/m².YAM値:腰椎61%.病前は介護保険サービス利用(要支援2)・生活保護受給しながら独居生活.月2回の外出自立.買い物や家事は訪問介護の支援.前院で肝細胞癌治療での入院8日目に誘因無く腰痛出現し上記診断で保存療法.受傷3週後にリハビリ加療目的で当院回復期病棟に紹介入院.依存的で心配性な性格.Demandは早く入院前と同じ状態まで戻りたい. HDS-R:16/30点.NRS:体動時,腰背部に5~7.MMT:股関節屈曲3/4,膝関節伸展3/4.10m歩行(快適速度):前腕支持型歩行器にて36.9秒(31歩).6分間歩行:前腕支持型歩行器にて60m.BBS:26/56点.FIM:57/126点 【経過】 X+22日より理学療法を開始し,順次,屋内前腕支持型歩行器自立,屋外手掌把持型歩行器(以下歩行器)歩行40分見守りとなっていった.X+63日に自宅へ同行し動作確認.自宅前段差昇降や浴槽跨ぎ,洗濯物干しに介助が必要であったため,入浴はシャワー浴,家事や外出は訪問介護の支援継続を提案.屋内移動は一本杖+伝い歩き,屋外は付き添い下の歩行器歩行を目標とした.自宅への外出後より腰部痛増強し離床機会減少.退院前カンファレンスにて,訪問リハビリ導入および将来的な通所介護への移行を提案(区分変更後要介護2).訪問介護の回数増加を提案したが,現状のままとなりX+80日自宅退院.退院時は HDS-R:27/30点.NRS:体動時,腰背部に2~4.MMT:股関節屈曲4/4,膝関節伸展4/5.10m歩行(快適速度):歩行器にて13.5秒(21歩).6分間歩行:歩行器にて272m.BBS:40/56点.FIM:112/126点と改善した.退院後,自身で行わない予定であった洗濯物干しや調理,浴槽の使用,また一人での買い物(休憩含め往復4時間)を行っていた.さらにX+93日に新幹線で他県へ外出し,その後の訪問リハビリ同行時も腰部痛増強(NRS7)しており,コンディショニング中心であった. 【考察】 脊椎圧迫骨折において80歳代以上が腰痛持続しやすいと報告されている.本症例も年齢や急性期期間の安静による筋萎縮,また疼痛の変動から当院での運動量不十分,さらに退院後に家事や外出を1人で行うといった予測と異なる動きにより腰部痛が悪化したと考えられる.想定していた入院期間より早期の退院希望があり,入院中は基本動作の改善や外出方法に重点を置いた評価・アプローチに留まり,退院後の生活場面における動作指導や環境設定が不足していた.そのため病前よりもさらに支援が必要であったにも関わらず介護保険サービスの見直しに至らなかった結果,病前同様の訪問介護では支援しきれず本人が動作自立せざるを得なかったことが考えられる.退院前カンファレンスにて現状を十分に伝え,介護保険サービス見直しの徹底や自宅環境に合わせた動作練習,入院期間延長の検討が課題として挙げられた.
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