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[P-5-03]手術椎間高位の違いと退院時の日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)各下位尺度との関連

*鞭馬 貴史1、鶴田 朋幸1、國松 陸1、平野 青葉1、河野 裕輔1、谷口 直也1 (1. 明野中央病院リハビリテーション部)
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キーワード:

日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)、椎間高位、社会生活機能

本研究は,当該施設の倫理委員会の承認(承認番号:260101RE)を得て実施した.対象者にはオプトアウト方式により研究参加の同意を得た.

【目的】
腰椎疾患に対する後方除圧術,固定術およびヘルニア摘出術は神経症状や日常生活機能の回復を目的として広く行われている.一方で術後の回復過程は一様ではなく,障害椎間高位の違いにより神経症状やそれに伴う機能障害の様相が異なることが知られており,術後の社会生活機能等を含むQOL回復と関連する可能性がある.しかし,手術椎間高位の違いが術後早期の患者立脚型QOLにどのように反映されるかを検討した報告は限られている.また,術後転帰は術前状態の影響を受けるため,術前値を考慮した評価が必要である.本研究の目的は,腰椎疾患に対する手術患者を対象に,手術椎間高位群と退院時JOABPEQ各下位尺度との関連を検討することである.
【方法】
2023年1月から2025年1月までに当院で腰椎疾患に対して手術を施行され,術前および退院時JOABPEQが取得可能であった531例(男性340例,女性191例)を対象とした.対象者は手術椎間高位に基づき,上位群(L2-4,L3/4:n = 94),中位群(L3-5,L4/5:n = 356),下位群(L4-S,L5/S:n = 81)の3群に分類した.評価項目はJOABPEQの5下位尺度とし,術前および退院時得点を用いた.また年齢,性別,BMI,手術椎間数および術式を収集した.統計解析は退院時JOABPEQ各下位尺度を従属変数,群を固定因子,術前得点,年齢,性別,BMI,椎間数を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を実施し,群の主効果を認めた項目についてBonferroni法による多重比較を行った.有意水準は5%とした.
【結果】
術前JOABPEQはすべての下位尺度において退院時スコアと有意に関連していた(p < 0.001).ANCOVAの結果,社会生活機能(問4)において手術椎間高位群の主効果を認め(p = 0.025),多重比較では上位群は中位群と比較して有意に高値を示した(p = 0.021).一方,心理的障害(問5)では,手術椎間高位群との関連は認めず,性別(p = 0.045)およびBMI(p = 0.039)が有意な関連因子であった.その他の下位尺度では有意な主効果および関連因子は認めなかった.
【考察】
術後早期のQOLは術前状態と強く関連することが示された.また社会生活機能においては椎間高位の違いとの関連が示唆された.特に中位群は日常生活に直結する機能障害を生じやすい領域を含むことから,相対的に回復が遅延した可能性がある.一方で下位群では上位群との差は認めず,手術椎間高位と転帰の関係は単純な椎間高位の上下関係ではなく,各椎間高位に特徴的な症状分布の違いが関与する可能性が考えられた.さらに心理的側面では患者個人因子との関連が示され,各下位尺度で関連因子が異なることが示唆された.
【まとめ】
手術椎間高位の違いは術後早期の社会生活機能と関連し,特に中位群で社会生活機能の回復遅延の可能性が考えられた.一方で心理的側面は患者個人因子との関連が示された.これらより,術後早期QOLは各下位尺度で異なる要因と関連する可能性が示唆された.

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