講演情報

[P-7-02]当院のリハビリテーション職及び看護職における多職種連携態度と関連要因の検討

*清水 隆基1、中山 大貴2、早川 智之2 (1. 天心堂へつぎ病院 リハビリテーション課、2. 九州医療スポーツ専門学校 理学療法学科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

多職種連携態度、心理的安全性、チームアプローチ

本研究はヘルシンキ宣言と「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を遵守し、当院臨床研究倫理審査委員会の承認(承認番号:2025-06-008)を得て実施した。対象者には目的・方法や不同意による不利益がない旨を説明し同意を得た。データは匿名化し個人情報保護に厳重に配慮した。

【背景】
患者の生活の質向上には,日常生活動作の改善を担うリハビリテーション職(リハ職)と生活支援を担う看護職との協働が重要である.多職種連携には,チーム機能や個人の自信(自己効力感),心理的安全性が重要とされるが,その関連性の検証は不十分である.本研究は両職種を対象に多職種連携態度の差異と各要因との関連を検討し,支援モデル構築の基礎的知見を得ることを目的とした.
【方法】
当院のリハ職76名,看護職134名に無記名自記式アンケートを実施した(2025年10-11月).調査には多職種連携態度尺度(修正版ATHCTS),職場の心理的安全性尺度日本語版(日本語版PS尺度),チームアプローチ評価尺度改訂版(TAAS-R),一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)を用いた.分析方法はリハ職と看護職における修正版ATHCTSの群間比較にMann-WhitneyのU検定,各職種における修正版ATHCTSと日本語版PS尺度,TAAS-R,GSESとの関連性の検討にSpearmanの順位相関係数を用いた.統計解析にはIBM SPSS Statistics version 27.0を用いて有意水準5%とした.
【結果】
有効回答は60名(リハ職42名,看護職18名,回収率29%).修正版ATHCTSはリハ職が有意に高かった(p<0.05).職種別では,看護職で修正版ATHCTSが日本語版PS尺度(r=0.59),TAAS-R(r=0.56)と正の相関,GSESの「能力の社会的位置づけ」と負の相関(r=-0.55)を示した(各p<0.05).リハ職では,日本語版PS尺度の「チームリーダー」とのみ正の相関を示した(r=0.33,p<0.05).
【考察】
リハ職は看護職より連携態度が有意に高かった.リハ職では情報補完のため他部門へ協働を働きかける機会が多いためと考えられる.看護職では病棟内で密な情報共有を図る傾向にあるとされている.この結果は連携意識の優劣ではなく,職種特性によるアプローチの方向性の違いが反映されたと推察される.看護職は修正版ATHCTSと日本語版PS尺度,TAAS-Rに正の相関を示し,心理的安全性が高いほど連携に肯定的になることが示唆された.一方,GSESの「能力の社会的位置づけ」とは負の相関を示した.自己効力感が高い人ほど自己完結性が強く他職種に頼るニーズが低いことや,役割過重の負担感から新たな連携を回避している状況が推察される.リハ職は心理的安全性の「チームリーダー」とのみ正の相関を示した.本指標には意見の尊重や困難時のサポートといった役割が含まれる.現場ではリハ職の「機能・能力改善」と看護職の「安全優先」とで優先順位が競合しやすいと報告されている.これを調整し,最善のプラン提案を支援する上司の存在が,連携促進の最大の基盤になると示唆された.以上より,業務負担感から連携への余裕を持ちにくい看護職の背景を考慮し,リハ職から相手の負担に配慮した働きかけを行う必要がある.リハ課内では,他部門との葛藤を恐れず提案できるよう,リーダーが現場を支援する体制構築が望まれる.また看護職へは,リハ職から統合的な解決策を提案していくことが重要である.本研究は基本属性(年齢・性別)の偏りによる限界があり,今後は多施設共同研究を通じた検証が課題である.

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン