講演情報
[P-7-03]全国障がい者スポーツ大会における学生サポーター活動の教育的意義―実地視察を通した活動報告―
*長友 典子1,2、大寺 健一郎1、村野 信之1、大山 史朗2、松元 春香2 (1. 宮崎リハビリテーション学院、2. 宮崎アスレティックトレーナー協会パラトレーナー部会)
キーワード:
障がい者スポーツ、理学療法士養成教育、社会参加支援
本報告は学生ボランティア活動の視察報告であり、介入や侵襲を伴う研究ではない。報告にあたっては、個人および団体が特定されないよう匿名化を行い、プライバシーの保護に十分配慮した。
【背景】障がい者スポーツは、単に機能維持に留まらず対象者の活動と社会参加を促進する重要な領域である。昨今、理学療法士(以下、PT)には病院内での機能的アプローチのみならず、生活の場における障壁を取り除き、主体的な社会参加を支援する視点が強く求められている。しかし、現在のPT養成カリキュラムは依然として治療的側面に比重があり、地域社会やスポーツ現場で多職種と連携し社会参加を具体的に支援するプロセスを体験する機会は十分ではない。学生が習得した知識を実社会で活用し、対象者が直面する社会的課題を深く理解できるかが教育上の課題となっている。
【目的】本学では教育的課題への一助として、本県開催の全国障がい者スポーツ大会へ学生サポーター(以下、団サポ)を派遣予定である。本報告の目的は、学生の活動プロセスを教員視点から視察し、その役割と機能を明らかにすることである。特に誘導案内、身体介助、対人交流という一連の関わりや将来PTを目指す学生にとってどのような実践的学習の場となるかを、現場での視察に基づき提示することである。
【視察内容・結果】大会期間中、各会場で活動する団サポを対象に運営体制や活動実態、現場の課題について実地視察を行った。学生は県支給の記名入りベストとキャップを着用し、組織の一員としての自覚と責任感を持って活動に臨んでいた 。主な活動内容は、選手の引率・誘導・応援、弁当の配布、道具の運搬など多岐にわたる。運営面では、県職員による指示系統のもとで活動していた。また、養成校ごとに事前準備の状況や教員による引率実態に差が認められた。さらに、活動環境として屋外会場では天候不順の影響を受けやすく、待機時間の発生や急な役割変更など、現場での臨機応変な対応が運営上の重要な側面となっていた。この状況から、運用上の検討事項としてシャトルバスの運用状況、連絡ツールの活用、および遠方に居住する学生への配慮などが今後の運営課題として挙げられる。
【考察】本活動の教育的意義は以下の3点に集約される。第一に、「知識の具現化とICF視点の統合」である。選手の活躍や直面する物理的障壁を目の当たりにすることで、机上の知識が臨床に直結する実践的な知見へと統合される。これは、環境因子が活動・参加に与える影響をリアルタイムに分析する貴重な機会となる。第二に、「リスク管理意識の醸成」である。管理された病院内とは異なる屋外や混雑下でのリスク予測(疲労、熱中症、転倒予防等)は、医療従事者としての観察眼と責任感を養う。第三に、「専門職としての視座の変容」である。「患者さん」ではなく目標を持つ「選手」と接することで、対象者の強みに着目し、社会参加を多角的に支援するパートナーとしての意識を形成する。今後は、養成校と行政間の連携システムを強化し、事前学習や連絡体制を整備することが持続的な教育効果に繋がると示唆される。
【結論】全国障がい者スポーツ大会での活動は、学生が社会参加支援の意義を実践的に理解するための貴重な場となる。今後、学外活動を教育カリキュラムと密接に連携させ、共生社会に貢献できる広い視野を持った理学療法士の育成に努めたい。
【背景】障がい者スポーツは、単に機能維持に留まらず対象者の活動と社会参加を促進する重要な領域である。昨今、理学療法士(以下、PT)には病院内での機能的アプローチのみならず、生活の場における障壁を取り除き、主体的な社会参加を支援する視点が強く求められている。しかし、現在のPT養成カリキュラムは依然として治療的側面に比重があり、地域社会やスポーツ現場で多職種と連携し社会参加を具体的に支援するプロセスを体験する機会は十分ではない。学生が習得した知識を実社会で活用し、対象者が直面する社会的課題を深く理解できるかが教育上の課題となっている。
【目的】本学では教育的課題への一助として、本県開催の全国障がい者スポーツ大会へ学生サポーター(以下、団サポ)を派遣予定である。本報告の目的は、学生の活動プロセスを教員視点から視察し、その役割と機能を明らかにすることである。特に誘導案内、身体介助、対人交流という一連の関わりや将来PTを目指す学生にとってどのような実践的学習の場となるかを、現場での視察に基づき提示することである。
【視察内容・結果】大会期間中、各会場で活動する団サポを対象に運営体制や活動実態、現場の課題について実地視察を行った。学生は県支給の記名入りベストとキャップを着用し、組織の一員としての自覚と責任感を持って活動に臨んでいた 。主な活動内容は、選手の引率・誘導・応援、弁当の配布、道具の運搬など多岐にわたる。運営面では、県職員による指示系統のもとで活動していた。また、養成校ごとに事前準備の状況や教員による引率実態に差が認められた。さらに、活動環境として屋外会場では天候不順の影響を受けやすく、待機時間の発生や急な役割変更など、現場での臨機応変な対応が運営上の重要な側面となっていた。この状況から、運用上の検討事項としてシャトルバスの運用状況、連絡ツールの活用、および遠方に居住する学生への配慮などが今後の運営課題として挙げられる。
【考察】本活動の教育的意義は以下の3点に集約される。第一に、「知識の具現化とICF視点の統合」である。選手の活躍や直面する物理的障壁を目の当たりにすることで、机上の知識が臨床に直結する実践的な知見へと統合される。これは、環境因子が活動・参加に与える影響をリアルタイムに分析する貴重な機会となる。第二に、「リスク管理意識の醸成」である。管理された病院内とは異なる屋外や混雑下でのリスク予測(疲労、熱中症、転倒予防等)は、医療従事者としての観察眼と責任感を養う。第三に、「専門職としての視座の変容」である。「患者さん」ではなく目標を持つ「選手」と接することで、対象者の強みに着目し、社会参加を多角的に支援するパートナーとしての意識を形成する。今後は、養成校と行政間の連携システムを強化し、事前学習や連絡体制を整備することが持続的な教育効果に繋がると示唆される。
【結論】全国障がい者スポーツ大会での活動は、学生が社会参加支援の意義を実践的に理解するための貴重な場となる。今後、学外活動を教育カリキュラムと密接に連携させ、共生社会に貢献できる広い視野を持った理学療法士の育成に努めたい。
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