講演情報
[P-8-02]腰椎椎間板ヘルニアの既往がある頸椎の椎間孔狭窄とヘルニアを合併した症例
*加藤 裕1 (1. 大分整形外科病院)
キーワード:
頸椎椎間板ヘルニア、頸椎椎間孔狭窄、腰椎椎間板ヘルニアの既往
本発表の実施にあたり、対象者には研究目的、方法、参加は自由意志であること、同意の撤回はいつでも可能で あること、データは匿名化し個人情報は厳重に管理すること(個人情報保護)を、高等で説明し同意を得ました
【目的】診療の中で多く対峙する疾患に頸椎椎間板ヘルニア(以下、CDH)があります。部位は違えど、腰椎では牽引療法にエビデンスは認められていません。またこれは理学療法についても同様です。今回、対側の椎間孔狭窄を合併したCDH症例を担当し、疼痛発生メカニズムの共有により症状が軽減した経験を得たのでここに報告します。
【症例紹介】50代女性。既往のCDHは理学療法開始(X年)の10年前に診断を他院で受け、その当時から左下腿から足底の感覚低下と痺れがありました。今回はX年Y月から出現した右上肢の痺れと痛み、左第4-5指の軽度な痺れ、左肩甲骨内側の疼痛、左大腿から下腿と足底の痺れと感覚低下を主症状に当院を受診されました。今回、X年の3ヶ月前に当院でC5/6左椎間板ヘルニア C6/7左頸椎症性神経根症 L5/S左腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けています。2025年撮影の画像からはレントゲンでストレートネックと前額面で頭頚部が右へシフト、MRIではC5/6正中やや左にヘルニアを認め昨年の画像より悪化していました。またC6/7右椎間孔狭窄とヘルニアも確認されました。この画像所見から右上肢症状の原因はC6/7右神経根によるものだと考えられます。腰部はL5/S脊柱起立筋群に脂肪変性を認め、以前指摘されていたL5/S椎間板ヘルニアによる神経の圧迫は見られませんでした。下肢ROMに制限はなく、手術歴もなく、胸郭出口症候群(以下、TOS)を疑う小胸筋・後外側四角腔(以下、QLS)・斜角筋での圧迫による再現はありませんでした。立位アライメントは腰椎が前弯し胸椎後弯の結果、頸椎はストレートネックを呈しています。
【結果】症状の原因は右上肢ではC6/7DH・椎間孔狭窄によるもの、左上肢は10年前の症状の遺残とC5/6DHによるものと仮定し対応をしました。椎間孔狭窄は骨性の要素があるため改善は難しいこと、しかし、椎間板については水分含有量によって症状の軽減が可能な可能性があると判断しました。下肢にROM制限がないこと、呼吸器疾患の合併症がないこと、手術・骨折歴がないことを確認しています。また疼痛のため防御性収縮を常時認めたため、模型や画像所見を用いて疼痛発生物理ストレスの仮説を説明し、また疼痛の再現性により理解を促しました。その結果、防御性収縮はなくなり、疼痛回避動作も取れるようになりました。
【考察】既往による腰椎前弯によって頸椎が結果ストレートになり、椎間板の可動性が低下するためヘルニア症状が増悪している可能性が示唆されました。生物学的な側面より物理ストレスを明確にし、心理面に対応することが患者教育の上でとても重要だと再確認できました。
【目的】診療の中で多く対峙する疾患に頸椎椎間板ヘルニア(以下、CDH)があります。部位は違えど、腰椎では牽引療法にエビデンスは認められていません。またこれは理学療法についても同様です。今回、対側の椎間孔狭窄を合併したCDH症例を担当し、疼痛発生メカニズムの共有により症状が軽減した経験を得たのでここに報告します。
【症例紹介】50代女性。既往のCDHは理学療法開始(X年)の10年前に診断を他院で受け、その当時から左下腿から足底の感覚低下と痺れがありました。今回はX年Y月から出現した右上肢の痺れと痛み、左第4-5指の軽度な痺れ、左肩甲骨内側の疼痛、左大腿から下腿と足底の痺れと感覚低下を主症状に当院を受診されました。今回、X年の3ヶ月前に当院でC5/6左椎間板ヘルニア C6/7左頸椎症性神経根症 L5/S左腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けています。2025年撮影の画像からはレントゲンでストレートネックと前額面で頭頚部が右へシフト、MRIではC5/6正中やや左にヘルニアを認め昨年の画像より悪化していました。またC6/7右椎間孔狭窄とヘルニアも確認されました。この画像所見から右上肢症状の原因はC6/7右神経根によるものだと考えられます。腰部はL5/S脊柱起立筋群に脂肪変性を認め、以前指摘されていたL5/S椎間板ヘルニアによる神経の圧迫は見られませんでした。下肢ROMに制限はなく、手術歴もなく、胸郭出口症候群(以下、TOS)を疑う小胸筋・後外側四角腔(以下、QLS)・斜角筋での圧迫による再現はありませんでした。立位アライメントは腰椎が前弯し胸椎後弯の結果、頸椎はストレートネックを呈しています。
【結果】症状の原因は右上肢ではC6/7DH・椎間孔狭窄によるもの、左上肢は10年前の症状の遺残とC5/6DHによるものと仮定し対応をしました。椎間孔狭窄は骨性の要素があるため改善は難しいこと、しかし、椎間板については水分含有量によって症状の軽減が可能な可能性があると判断しました。下肢にROM制限がないこと、呼吸器疾患の合併症がないこと、手術・骨折歴がないことを確認しています。また疼痛のため防御性収縮を常時認めたため、模型や画像所見を用いて疼痛発生物理ストレスの仮説を説明し、また疼痛の再現性により理解を促しました。その結果、防御性収縮はなくなり、疼痛回避動作も取れるようになりました。
【考察】既往による腰椎前弯によって頸椎が結果ストレートになり、椎間板の可動性が低下するためヘルニア症状が増悪している可能性が示唆されました。生物学的な側面より物理ストレスを明確にし、心理面に対応することが患者教育の上でとても重要だと再確認できました。
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