講演情報
[32-09]リチウムイオン電池からのCo回収を⽬的とした焙焼条件がCoの鉱物学的特性へ及ぼす影響評価
〇篠原 雄貴1、所 千晴1、渋谷 駿太2、大和田 秀二1、土屋 弘雄3 (1. 早稲田大学、2. 早稲田大学大学院、3. JX日鉱日石金属)
司会:王 立邦(東京大学)
リチウムイオン電池(Lithium-Ion Battery,以下LIB)の正極材にはレアメタルのCoの化合物LiCoO2が使用されており,使用済みのLIBから Coを効率的にリサイクルすることは重要な課題となる。本研究では,LIBに含まれるCoを,磁選等の物理選別に適した形態に変えてリサイクルすることを狙いとする。そのリサイクルプロセスの初段にあたる焙焼工程の最適な条件を決定するため,焙焼時のLiCoO2の分解挙動について調査した。LIB内の共存元素であるCとLiCoO2を実試料相当の比率で混合したものをAr雰囲気下で焙焼し,焙焼後試料をXRDおよびXAFS分析にかけたところ,600°C80min以上の焙焼でLiCoO2の90%以上が分解した。一方,実際のLIBをAr雰囲気下で焙焼した場合は,550°C10minの焙焼でLiCoO2の90%以上がCo酸化物に分解した。ゆえに,実操業においては現在想定しているよりも低温での焙焼で済む可能性があり,より焙焼時のコストを抑えられる可能性が示唆された。また,Coの一部は磁選による選別に有利な金属形態まで還元が進むことがわかった。
