講演情報
[2306]本庫鉱山における人工湿地による坑廃水処理の現況と他鉱山への展開
○荻野激 (地方独立行政法人北海道立総合研究機構)
司会: 初谷和則(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
キーワード:
休廃止鉱山、鉱害防止対策、パッシブトリートメント、人工湿地
休廃止鉱山における鉱害防止事業では、水処理に関わるコスト低減化が重要な課題となっており、その解決策として、近年注目されているのが低コスト、省エネルギーといった特徴を持つ人工湿地処理に代表されるパッシブトリートメントである。地質研究所では、北海道枝幸町の本庫鉱山において、実用規模の人工湿地(表面流型:1,927m2、浸透流型:760m2)を造成し、人工湿地処理の導入を図った。 本庫鉱山では、表面流型と浸透流型を直列に接続し、上流側に表面流型を、その下流に浸透流型を配置して坑廃水の処理を実施している(本庫方式)。その結果、2つの人工湿地を通過させることで、坑廃水中に含まれる鉛や亜鉛などの金属成分が除去され、従来行われていた消石灰による中和処理と同程度かそれ以上の効果が確認された。また、消石灰の添加は、降雨や融雪による坑廃水量の増加時に限って行うため、その使用量を大きく削減することができた。 今後は、この本庫鉱山の実績を踏まえ、水処理を行っている他の鉱山における人工湿地処理等の導入の可能性について検討を行うとともに、水処理の関係者・機関に対しては、情報提供を図りながら、人工湿地処理等の理解・普及を進めていく予定である。
