講演情報

[1508-13-01]銅アノード中Sb, Niが電解精製に及ぼす影響の考察

○小林 大祐1、松田 大3、佐々木 康勝2、岡本 秀則3 (1. パンパシフィック・カッパー株式会社、2. 日比共同製錬株式会社、3. JX金属株式会社)
司会:中野 博昭(九州大学)

キーワード:

銅電解精製、スライム、不動態化、アンチモン、ニッケル

銅製錬における近年のリサイクル原料増処理に伴い、銅アノード中の不純物品位は増加傾向にある。この影響により、電解精製ではアノード不動態化や電着状態の悪化、電流効率の低下などの現象が現れており、特にSb, Niに起因する影響が顕著となってきた。銅製錬系内に入ったSb, Niは、ダストやスラグ等で系外へ排出されるが、一部はアノードへ分配する。本報では、アノード組成とスライムの性状、電解液の組成について調査し、Sb, Niがどのような機構で不動態化や電流効率に影響を及ぼすか考察した。実操業試験、ラボ試験の結果から、アノード組成がモル比でAs / (Sb + Bi) = 2付近まで低下すると、スライム浮遊量が増加した。このことから、アノード中のAsはスライム層内の反応に関与して、Sbによるスライムの浮遊を抑制すると考えられる。アノードSb品位が上昇すると電流効率は低下したが、アノードNi品位が3000ppm程度では、Ni品位と電流効率に有意な相関はなかった。電解液中のNi濃度が上昇すると、電着状態の悪化による電流効率の低下が確認された。不動態化には、電解液中のNi濃度よりもSO42-濃度の影響が大きく、total - SO42-濃度を下げるとアノードの不動態化が抑制される傾向が見られた。