講演情報

[2301-03-01]タングステンサプライチェーンの構造変化

○チン イッシュウ1、村上 進亮1 (1. 東京大学)
司会:山末 英嗣(立命館大学)

キーワード:

タングステン、サプライチェーン、構造変化、社会ネットワーク分析

タングステンはフィラメントから集積回路の半導体までに広く使用され、その中でも超硬工具の需要が大半を占める産業上重要な鉱物だが、その供給に不安要素がある。第一に、供給国に偏在性が見られる。供給国が20あるが、中国一国で埋蔵量と供給量の60%以上を占めている。そのため例えば中国における輸出量割当の政策等により、世界範囲における供給障害(Supply disruption)が起きた。さらに、タングステンは紛争鉱物の一つとして知られており、2010に有効となったドッド・フランク法1502項の規制対象となっている。こうした状況を受け、2010年に欧州委員会はクリティカルメタルリストに加え、日本においても様々な施策による対応がなされている。こうした要因により、タングステンのサプライチェーンの構造は変化したと考えられる。本研究ではタングステンのサプライチェーンを、社会ネットワーク分析の手法を用い可視化するとともに、構造の特徴を抽出する。これによりタングステンの紛争鉱物を取り巻く供給構造が実際に変化したことを確認した。続いて、その構造の変化の分析を通して、今後のサプライチェーンのレジリエンスを向上させるために何が必要かについて分析を行った。