講演情報

[P-01]東日本大震災における津波堆積物中重金属類の分布特性について

○川辺 能成1、原 淳子1、駒井 武2 (1. 産業技術総合研究所、2. 東北大学)

キーワード:

津波堆積物、重金属類、リスク評価

2011年3月に起こった東日本大震災において堆積した津波堆積物中の重金属類の分布等について検討した。土壌・地下水汚染に係る項目については、ホウ素では基準を超過する地点は存在しなかったものの、フッ素については全体の約13%が基準を超過していた。また、土壌・地下水汚染に係る項目ではないが、亜鉛の水溶出量は多くの地点で検出下限以下であったものの、全体の6.7%の試料について水生生物保全環境基準である0.03mg/L以上の溶出量となっていた。これらの地点では、環境基準は超過しないもののカドミウムの溶出量も他と比較して多くなっていたことから、亜鉛カドミウム鉱に起因するものと考えられた。ニッケルについても全体の25%の試料で水道水の水質管理目標設定項目である0.01mg/L以上の溶出量となっていた。一方、人がこれらの地域に生活すると仮定して、生涯曝露量を算出したところ、どの重金属類についても許容摂取量を超過することはなかった。しかしながら、リスクのエンドポイントとした許容摂取量の10%を超過する試料も存在しており、亜鉛などでは魚などの生態リスク評価も行う必要性があり、さらなる検討を要するものと考えられた。