講演情報

[12020-24-01](学生発表:修士課程)水銀含有廃棄物の長期安定管理を目的とした黄鉄鉱表面の吸着態水銀の化学動態変化に関する基礎研究

○ 石井 駿 1、小山 恵史1 、 淵田 茂司 1,2、所 千晴 1,3 (1. 早稲田大学 2. 東京海洋大学 3.東京大学)

キーワード:

水銀、黄鉄鉱、最終処分

水銀(Hg)は環境中へ流出した場合メチル化、生物濃縮を経て人体に健康被害を与えることが知られており、Hg含有廃棄物は厳格な管理が求められている。本研究では黄鉄鉱による無機Hgの不溶化に着目し、その長期安定管理を目的に、埋立処分後の黄鉄鉱の酸化状態変化に伴う吸着態Hgの安定性を調査した。異なる酸化還元およびpH(2, 6, 10)条件でHg吸着黄鉄鉱の酸化実験を実施したところ、溶液の酸化還元状態によってHgが再溶出しやすいpHが異なることが明らかとなった。好気条件(大気下)ではpH 2でpH 10の170倍の濃度のHg再溶出が確認されたが、これはpH 10では黄鉄鉱の酸化が促進され、その結果生じたFe二次鉱物によってHgが再吸着されたためだと考えられる。一方、嫌気条件(N2パージ下)ではpHが2から10と大きくなるにつれHg溶出量が35倍になった。嫌気性pH 2のような、極端に黄鉄鉱が酸化されない条件ではHg再溶出が進まないと考えられ、黄鉄鉱酸化がHg再溶出の引き金になっている可能性が示唆された。以上の検討より、Hg吸着黄鉄鉱の埋立処分の際は埋立予定地の酸化還元状態を調査し浸出水pHを適切に調整する必要性があることを明らかとした。