講演情報

[12031-49-09](学生発表:修士課程)可溶性アノードに鉄スクラップ材を利用して電解析出された鉄基2相合金薄板の機械的特性

○竹下 航太郎1、佐伯 龍聖1、林田 将充2、大貝 猛2 (1. 長崎大学大学院工学研究科、2. 長崎大学工学部)

キーワード:

Fe-Ni合金、電析、機械的特性、結晶粒微細化、固溶強化

本研究では、使用済み鉄スクラップのアップグレードリサイクル技術の1つとして、鉄電解精製プロセスと合金電析技術を融合させた新しい湿式プロセスを開発した。まず、可溶性陽極に低炭素鋼(SS400)を用いて、純鉄を電析させたところ、水素脆化によりクラックが導入され、試料が破壊されることが判明した。一方、鉄に対してニッケルを合金元素とし、電析させたところ、bccとfccの二相組織構造となり、靭性に優れたFe-Ni合金薄板を作製できた。このときの陰極電流効率は85%以上であり、平均表面粗さは2μm以下であった。高温塩化物浴を用いたことで、水素発生の影響を純鉄の電析に比べて低減できたと思われる。平均結晶粒径は約20 nmであり、平均ビッカース硬度は約380 HV0.1であり、これらはHall-Petchの関係式に基づくと結晶粒微細化強化であると推定される。また、引張強度は最大で911 MPaであり、Fe-Ni合金の算出した格子定数は、α-Feの格子定数よりも小さくなっていた。このことから、Niが固溶したことによる固溶強化と結晶粒微細化強化の影響により、陽極に用いた低炭素鋼SS400よりも高い引張強度を有していたと考えられる。