講演情報
[P025C](学生発表:修士課程)高炉スラグをCa源としたFe置換ハイドロキシアパタイトの合成およびこの光触媒反応によるグルコースから乳酸への転化
○野口 祐人1、Chuaicham Chitiphon1、笹木 圭子1 (1. 九州大学)
キーワード:
光触媒、鉄鋼スラグ、ハイドロキシアパタイト、糖転化、乳酸
鉄鋼スラグはわが国の鉄鋼業で年間約32Mt生成される副生物であり、中でも高炉スラグはCaを主成分としているためほとんどがセメントなどの土木材料としての再利用にとどまっている。Caリン酸塩であるハイドロキシアパタイト(HAp) は、それ自体絶縁体であり光触媒活性をもたないが、イオン交換能が高いため異元素を置換しやすく、これによりバンドギャップが縮まり、光触媒活性をもつようになる。そこで本研究では、CaOをCa源として不純物を含まないHApを合成し、Feを置換することにより光触媒活性を付与し、つぎに試薬から合成した人工高炉スラグおよび実高炉スラグをCa源として用い、最適比Fe/CaのFe置換型HAp(Fe-HAp)をもつ光触媒複合体を得た。これらを光触媒として可視光照射のもとグルコース分解反応に応用した。CaOをCa源として得たFe-HApの比較対照に対して、ふたつのスラグ由来の光触媒は、3時間以内の反応においてグルコースの分解率はやや劣るものの、乳酸への転換率はやや優れている特徴がみられた。このことはCa以外のスラグ成分が乳酸生成の反応経路を誘導していることを示唆している。
