講演情報

[3801-08-07]北海道地域のいわゆる砂白金について(その3)

○大石 徹1、古山 隆2 (1. 日鉄セメント株式会社、2. 東北公益文科大学)
司会者:久間 英樹(九州大学総合研究博物館)

キーワード:

白金鉱、北海道地域、砂鉱、万年筆、鉱業史

砂白金とはオフィオラト系のカンラン岩、蛇紋岩、クロム鉄鉱等に微量に含まれる白金族元素を主成分とする鉱物が原岩の風化に伴い河川等に濃集して砂鉱をなしたものの総称で、白金・鉄(ニッケル、銅)系合金からなる自然白金~白金鉄合金類、イリジウム・オスミウム・ルテニウム系の自然合金からなるイリドスミン類、白金族元素の硫砒化物の3種類のものが含まれている。北海道地域の砂白金資源は、万年筆のペン先合金に使用するのに適したイリジウムに富む組成のイリドスミンを主成分としていたため、第二次世界大戦以前においては北海道地域がオーストラリアのタスマニア地域と並んで世界的に重要な産地となっており、更に大戦中には白金族元素類は軍需物資として国策事業として採取されていた。しかし、現在では鉱業的生産は全く行われておらず、また当時採取されていた砂白金の鉱物組成、化学組成については、戦時中の供出により残存標本試料が少なく、断片的な情報しか残されていない。
 今回、戦前に万年筆のペン先合金に使用するため加工された砂白金試料と、当時オーストラリアのタスマニア地域から輸入された砂白金の保存試料等の構成鉱物を調査した。