[1K0307-09-02]近赤外線遮蔽機能を有するナノカプセルの開発
○伊藤 孝郁1、長南 武1、竹内 麻衣奈2、菊地 守也2、工藤 拓実2、川口 正剛2(1. 住友金属鉱山株式会社、2. 山形大学)
司会:谷ノ内 勇樹(九州大学)
キーワード:
近赤外線、カプセル、セシウムドープ酸化タングステン、ナノ粒子、環境
太陽光線は、紫外線、可視光線および赤外線の3つに分かれるが、中でも近赤外線(800~2500nm)は太陽光エネルギーの46%を占める。住友金属鉱山が開発したセシウムドープ酸化タングステン(CsWO)微粒子は、高い可視光透明性を維持しながら近赤外線を効率的に吸収するため、車両・建築用の窓部材や樹脂添加剤として広く実用化されている。また、衣料、農業、電子・光学デバイスなど多岐にわたる分野で応用が進んでいる。しかし、高温のアルカリ環境下で分解しやすい問題がある。筆者らは、ミニエマルション重合法によりCsWOナノ粒子を耐アルカリ性に優れるポリスチレン(PSt)粒子中に内包するナノカプセルを開発したが、環境負荷の少ない水溶媒を使うプロセスへの転換が課題であった。本研究では、乳化重合法を用いてCsWOナノ粒子のカプセル化を試み、ヘキサデシルアンモニウムクロライド(CTAC)を用いてCsWOナノ粒子表面に二分子層を形成し、Stを“その場乳化重合”することによってナノカプセルの開発に成功した。本手法はミニエマルション重合法に比べて極めて簡便であり、環境負荷の少ない水溶媒を用いる乳化重合法で無機ナノ粒子をナノカプセル化できる新しい手法であると言える。
