講演情報
[P052C]海底熱水鉱石の海水利用型塩素系リーチングと有機酸沈殿による有価金属の選択的回収
○滝本 琉盛1[修士課程]、シバクマール ゴーサマン1、小山 恵史1、沖部 奈緒子1 (1. 九州大学)
キーワード:
海底熱水鉱石、海水、塩素系金属浸出、有機酸、選択的金属回収
海底熱水噴出孔から放出される金属イオンの沈殿により形成される海底熱水鉱床には、銅、亜鉛、鉛、金、銀などの有価金属が高濃度で含まれているため、将来的な国産金属資源としての活用が期待されている。本研究では、低コストかつ環境負荷の低い海底熱水鉱石の湿式製錬プロセスの開発を目的とし、海水を含む塩素含有溶液による金属浸出法と有機酸による選択的金属沈殿法の適用可能性を検討した。浸出試験では、塩素源として海水、NaCl、NaClOを用い、パルプ濃度10%(w/v)、45℃の条件下で45日間振とうした。その結果、海水系において、銅88%、亜鉛60%の浸出率が得られる一方で、鉛の浸出率は0.4%以下に抑制された。得られた浸出液に、0.06 Mの粉末状シュウ酸(Oxalic acid)を添加することで、銅を固相に沈殿させつつ、亜鉛を液相に保持し、銅の選択的回収率95%を達成した。さらに、有機酸濃度や振とう温度等の条件検討により、浸出液に残留する亜鉛も有機酸沈殿として回収できる可能性が示唆された。以上の結果より、海底熱水鉱石から有価金属を高効率かつ選択的に回収可能とする湿式製錬プロセスの可能性を見出した。
