講演情報

[P059C]炭酸イオンを含む坑廃水の中和処理におけるCalcite生成とMn除去効率の関係

○加藤 聖也1[修士課程]、淵田 茂司1 (1. 東京海洋大学)

キーワード:

坑廃水処理、Calcite、マンガン、固溶体

弱酸性~中性pHの坑廃水には高濃度で炭酸イオン(HCO3-)が含まれている場合があり,高濃度のカルシウム(Ca)が存在する条件下では,中和処理によってCalcite(CaCO3)が生成する。CaCO3は微量金属除去能を持つ一方,過剰なCaCO3生成は中和殿物の増加に繋がると考えられる。本研究では,炭酸イオンとマンガン(Mn),Ca濃度の高いA鉱山の坑廃水 (pH 6.5, Mn(II) : 70 mg/L, Ca : 600 mg/L)を対象に実際の廃水と模擬廃水を用いた中和処理試験を実施し,地球化学コードを用いた反応速度論解析とX線回折(XRD)による沈殿種分析からCaCO3生成におけるMn2+の吸着および共沈反応機構を検討した。その結果,模擬廃水及び実際の廃水共に,pH 8.0程度で1時間反応させることで,一般排水基準値以下(<10 mg/L)までMn2+濃度が低下した。XRD分析の結果,生成した沈殿物の大部分はCalciteで,Mn化合物に由来するピークは確認されなかった。廃水と同様のMn/Caモル比およびpH 8.0で吸着試験を実施したところ,CaCO3の添加量を増やしてもMn2+の減少は認められなかった。そのため,Mn2+はCaCO3生成時に結晶構造内に取り込まれる固溶体形成により除去されたと考えられる。よって,過剰なCaCO3の生成はMn2+の除去効率との関係は小さく,中和処理殿物の増加に繋がることと考えられる。