講演情報

[P066C]深海に浸漬した様々な組成のセメント系材料に繁茂する微生物群集の調査

○麻野 涼央1[修士課程]、惟村 晴太郎1、野島 佑悟1、鈴木 華1、三平 将貴1、山中 寿朗1、高橋 恵輔2、笠谷 貴史3、杉村 誠4、牧田 寛子1,3,5 (1. 東京海洋大学、2. 香川大学、3. 海洋研究開発機構、4. 新江ノ島水族館、5. 神奈川工科大学)

キーワード:

コンクリート、セメント系材料、微生物、深海、劣化抑制

海底の有効利用の必要性が高まっている現在、海洋インフラの構築に欠かすことのできないセメント系材料に関する実環境での実態調査は急務である。近年、特定の微生物がセメント系材料に物理化学的な影響を及ぼすことが指摘されているが、海洋環境、特に深海環境での研究例は皆無である。
そこで本研究では、深海環境においてどのような微生物がどのように影響を与えるのかを調査するために、数種類のセメントおよび増粘剤を用いて、組成の異なる試験体を作製し、水深3,500 mにて長期間の浸漬実験を実施した。1年間および2年間の浸漬後、各試験体表面の微生物叢を明らかにするために、16S rRNA遺伝子による群集構造解析を行った。
その結果、組成の違いにより微生物叢に有意な差が認められ、特に増粘剤の添加の有無は微生物叢に大きな影響を与えることが確認できた。さらに、浸漬期間による微生物種の構成比率の変化は見られたものの、優占種に大きな違いは見られなかった。これらの結果は、材料組成によって深海環境下で繁茂する微生物叢が変化し、それらが長期的に材料へ影響を与える可能性を示しており、今後の海洋インフラ材料の開発・選定にとって重要な知見であると考えている。