講演情報

[P096C]アルカリ焙焼-水浸出による電気炉系スラグからの選択的Cr溶出の可能性

○小出 昌美1,2[博士課程]、髙谷 雄太郎3,2、神谷 秀博2、所 千晴2,3 (1. 共英製鋼株式会社、2. 早稲田大学、3. 東京大学)

キーワード:

電気炉系スラグ、炭素鋼スラグ、選択的浸出、Cr化合物、アルカリ焙焼

電気炉系スラグは鉄スクラップを電気炉で溶融・精錬する過程で大量に生成される副産物である。主に路盤材や土木資材として再資源化されているが、用途幅が限られているため、新たな活用法の開発が求められている。期待される用途の一つとしてセメント原料化があるが、含有するCrがセメント製造工程で六価Crに変化する懸念があるため、事前にCrを分離することが重要である。電気炉系スラグ中のCrは主に安定なスピネル相として存在し水に不溶であるため、通常の化学的手法では分離が困難である。本研究では、電気炉系スラグと水酸化ナトリウムを混合し高温焙焼することでCrを可溶性化合物へ変換し、水浸出によって選択的に分離することを試みた。炭素鋼の酸化精錬工程で生成された酸化スラグを対象とし、焙焼条件がCr浸出に与える影響を調査した。浸出液中のCr濃度は水酸化ナトリウムの混合比および焙焼時間の増加により高くなる傾向を示した。一方、セメント原料の主成分であるCaは積極的には浸出せず、浸出残渣として回収される傾向が確認された。これらの結果より、本プロセスが電気炉系スラグのセメント原料化に向けた処理プロセスとして有用である可能性が示された。