講演情報

[P098C]計算化学による廃リチウムイオン電池の熱処理における正極材とAl箔の界面反応と機械的強度の研究

○永積 薫1[修士課程]、山口 勉功1、国吉 ニルソン1 (1. 早稲田大学)

キーワード:

計算化学、分子動力学、還元焙焼、資源循環

リチウムイオン電池(LIB)の需要急増に伴い,資源確保と環境負荷低減の観点からリサイクル技術の確立が急務となっている。特に正極材からのレアメタル回収において,熱処理後のCo・NiのAl箔への固着が回収効率低下の主要因となっている。本研究では,この固着現象のメカニズム解明を目的とし,正極材/Al箔界面における相互作用を計算化学および材料力学的観点から分析した。製造過程を模擬した圧着条件下での熱処理後,およびリサイクルの熱処理後の,界面状態変化と機械的強度をシミュレーションした。分子動力学法を用いることによって,原子レベルから界面特性を予測した。その結果,温度上昇に加え,製造過程における正極材とAl箔の圧着圧力が界面における機械特性に影響することが判明した。1.0 GPa程度の強い圧着圧力を加えると,ヤング率や引張強度が低下した。さらに熱処理によって界面での拡散層形成が確認された。これらの知見は,LIBリサイクルプロセスの効率向上に寄与する基礎研究であり,資源循環型社会の実現に貢献するものである。