講演情報

[P108C]ナノろ過膜による使用済みリチウムイオン電池からのリチウム回収プロセスの開発

○渡辺 智貴1、宮本 竜馬1、吉崎 友哉1、榑谷 仁志1、岡部 淳1、峯岸 進一1 (1. 東レ株式会社)

キーワード:

リチウムイオン電池、リチウム回収、ナノろ過、膜分離、湿式精錬

資源循環の観点から使用済みリチウムイオン電池 (LiB)からリチウム(Li)を高効率で回収可能な技術が求められている。現状の技術では、LiBを解体・焙焼して得られるブラックマスを強酸で浸出し、得られた酸浸出液から多価イオンを沈殿法で除去、または、溶媒抽出法で回収後にLiを精製・回収するが、上記工程でLiが損失、また、不純物が混入するため回収効率が低く、Liの回収技術は未確立である。本研究では、多価イオンの除去工程前に当社開発中の高Li選択性・高耐酸性のナノろ過(NF)膜を適用し、酸浸出液から多価イオンに先立ってLiを分離する膜プロセスを設計、その有効性を検証した。結果、複数の酸浸出液(実液)にて、膜プロセスでのLi損失を4%以下に留め、かつ、高純度化が可能なことを実証した。また、膜処理後の液から炭酸Liを精製することで、多価イオン除去精製時のLi損失が16%低減した。さらに、精製した炭酸Liを用いて単層セルを作製し、その電池性能を評価した結果、バッテリーグレードの炭酸Liから作製した単層セルと同等の性能を確認し、リサイクル炭酸Liの有効性を実証した。