講演情報
[3201-08-04]分子動力学シミュレーションによる油水界面でのアスファルテン膜の安定性解析
○小林 和弥1 (1. 京都大学)
司会:柏谷公希(京都大学)
キーワード:
原油、アスファルテン、油水界面、分子動力学法
原油に含まれる高分子極性成分であるアスファルテンは、油井管内での析出やW/Oエマルションの安定化など、石油生産における様々な障害を引き起こす。特に、W/Oエマルションの形成・安定化は生産障害であると同時に、低塩分濃度水攻法のメカニズムの一つとしても重要視されている。アスファルテンは多様な分子構造を持つため、どのような構造がW/Oエマルション形成の鍵となるかは未解明である。そこで本研究では、分子動力学シミュレーションを用いてアスファルテン分子モデルの油水界面での特性を評価した。その結果、カルボキシル基を有するアスファルテンが油水界面の弾性率を顕著に増加させることが明らかになった。この界面弾性の増加は、W/Oエマルションの安定化に寄与することを示唆している。一方、カルボキシル基を持たないアスファルテンでは、油水界面の弾性率増加は限定的であった。本研究によって、原油中のアスファルテンの中でも、カルボキシル基を有するものがW/Oエマルションの安定性に大きく影響を与えることが示された。
