セッション詳細

シンポジウム1 近視眼に対する手術を科学する

2025年6月28日(土) 15:10 〜 16:10
第1会場
オーガナイザー:根岸 一乃(慶應大), 辻川 明孝(京都大)
近視眼に対する手術は、一般眼と異なる眼球形態や組織特性を有しており、術前評価と術式選択には高度な配慮が求められる。特に強度近視眼では、眼軸長延長や後部ぶどう腫、網膜・強膜の菲薄化など、解剖学的変化が著明であり、手術侵襲への耐性も低い。各診療領域での科学的根拠に基づく対応が不可欠である。
本シンポジウムでは、まず後関利明先生より、強度近視に伴う特異な斜視、特にHeavy Eye Syndrome(HES)についてご講演いただく。外眼筋の走行異常や加齢性変化を背景にした病態と、その治療法としての横山法の意義が示される。
続いて高橋洋如先生には、近視性牽引黄斑症に対する網膜硝子体手術の現状と展望をご紹介いただく。OCTを用いた病型分類やepiretinal proliferationへの対応、後部ぶどう腫の形状に応じた膜処理など、科学的かつ実践的な知見が共有される。
新田耕治先生からは、強度近視眼緑内障に対する濾過手術と前部強膜厚の関連について、前眼部OCTを用いた新たな知見をご講演いただく。術前評価としての強膜厚の意義が、術後合併症予防の観点から重要である。
最後に後藤聡先生より、強度近視眼やLASIK術後眼に対する白内障手術におけるIOL度数計算の課題と、Barrett True-KやEVO式など新世代計算式の有用性についてお話しいただく。
本シンポジウムが、近視眼に対する手術の理解と臨床技術の発展に寄与する機会となることを期待する。

[S1-1]近視眼に対する斜視手術を科学する

後関 利明 (国際医療福祉大・熱海)

[S1-2]科学的知見に基づいた近視眼に対する網膜硝子体手術

高橋 洋如 (東京科学大)

[S1-3]強度近視眼緑内障に対する濾過手術と前部強膜厚との関連

新田 耕治 (福井県済生会病院)

[S1-4]近視眼に対する白内障手術と眼内レンズ度数計算を科学する

後藤 聡 (大阪大)