有機EL討論会 第43回例会 開催プログラム
日 時 2026年11月12日(木),13日(金)
会 場 福岡市民ホール 中ホール(福岡市)
表彰式
12:30 ~ 12:40
S1:特別講演
S1 12:40 ~ 13:20
S2:ディスプレイ技術
S2-1 13:20 ~ 13:40
要旨
OLEDマイクロディスプレイはAR/VR向けに用いられており、高輝度・高精細なパネルの開発が進められている。我々はフォトリソグラフィとドライエッチングによりOLEDの分離と同時に導光路を形成することで、微細画素においても広色域と高効率を実現する新規画素構造を開発した。本構造を適用した試作パネルにおいて、DCI-P3色域96%と最大輝度10000 cd/m2を実現した。S2-2 13:40 ~ 14:00
要旨
キヤノントッキ㈱はOLEDoS向け0.1μmアライメント機構を搭載した高精細RGB塗分け蒸着装置を開発した。今回新たにアライメント機構、アライメントカメラなどを開発し3000ppi以上のRGBの塗分けを実証した。S2-3 14:00 ~ 14:20
要旨
AR/VR光学系の受光角は±10°程度で、従来OLEDでは放射光の大半が損失となる。本研究では、スカイブルーOLED積層に分布帰還型回折格子共振器を組み込んだAdv. OLEDを作製し、半値幅20 nm・CIE-y 0.06の狭帯域深青色発光と±10°円錐内の前方光出力3倍増を同一材料系で同時に実現した。電圧・寿命への影響は軽微で、高輝度・高効率AR/VRマイクロディスプレイへの道を拓く。14:20 ~ 14:30 休憩 ( 10分 )
S3:特別セッション<TADFの最新展開と産業化動向>
S3-1 14:30 ~ 15:00
S3-2 15:00~ 15:30
A1:企業展示広告
株式会社コスモ・サイエンス
公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団
富士フイルム和光純薬株式会社
株式会社東レリサーチセンター
日本酸素株式会社
株式会社システムハウス・ サンライズ
サイバネットシステム株式会社
株式会社エイエルエステクノロジー
株式会社東陽テクニカ
16:10~ 16:40 コーヒーブレイク (30分 )
S4:学生口頭発表(アップコンバージョン/評価技術)
S4-1 16:40 ~ 16:55
要旨
低電圧青色アップコンバージョンOLED(UC-OLED)の高効率化に向け、TTA発光体の分子配向に着目した。アントラセン二量体ではp-ADNで最大EQE 2.6%を達成し、1,2-ADNの1.5倍以上となった。PLQYおよび相対UC特性のみではこの差を説明できず、水平配向性とEQE、内部量子過程に相関が見られた。さらに高水平配向材料MAT、TATでも水平配向性とEQEの相関を確認し、分子配向制御がUC-OLED高効率化の材料設計指針となる可能性を示した。S4-2 16:55 ~ 17:10
要旨
青色有機ELは高駆動電圧と高消費電力が課題であり、超低電圧駆動の青色UC-OLEDでも消費電力が大きい現状がある。本研究では、新規アクセプターとしてヘプタジン誘導体を開発し、デバイスを作製し評価した。結果、低駆動電圧を維持したままデバイスの高効率化が確認された。蛍光寿命測定、過渡PL測定、再配向エネルギーの解析からCT状態からの非放射失活の抑制が示唆された。最終的に、蛍光デバイス比で約30%の低消費電力化を達成した。S4-3 17:10 ~ 17:25
要旨
有機半導体デバイスの高性能化には、電荷注入障壁の低減が重要である。特に陰極からの電子注入では、陰極の仕事関数(Φ)を低Φ側で適切に制御する必要がある。安定な低Φ電極として配位結合を利用した電極が報告されているが、Φ低下の機構は未だ十分に明らかではなく、分子設計指針も確立されていない。そこで本研究では、種々の有機分子をAl上に成膜し、DFT計算と組み合わせてΦ低下の支配因子の解明を試みた。S4-4 17:25 ~ 17:40
要旨
本研究では、ガラス転移温度の高低差が異なる2種類の積層構造素子を作製し、加熱による自発配向分極(SOP)と励起子-ポーラロン消光(EPQ)特性の変化を、変位電流と発光強度の同時測定法(DCM-PL法)により評価した。その結果、両素子において加熱によるSOPの緩和とそれに伴うEPQの抑制、電荷蓄積界面の移動、および電荷分離に起因すると考えられるPL消光を示唆する結果が得られた。これらの結果は、積層界面における層間拡散の影響を示唆している。S4-5 17:40 ~ 17:55
要旨
正孔注入層やタンデム型OLEDの中間層として用いられるHAT-CNは,隣接する正孔輸送層との界面で電荷発生が可能である.素子性能の向上や新規材料の開発には電荷発生量の定量評価が必要であるが,これまで適した手法は確立されていない.本研究では,OLEDに外部コンデンサを直列接続して,それに変位電流評価法を適用する新たな手法を提案する.これにより,発生電荷量に加えてその周波数依存性も評価可能とした.
17:55~ 18:15 休憩・移動 (20分 )
交流会
18:15 ~ 20:15 交流会
S5:特別講演
S5 9:15 ~ 10:05
S6:学生口頭発表(材料科学)
S6-1 10:05 ~ 10:20
要旨
高効率な単層有機EL素子では、外因性電荷トラップによる非放射再結合の抑制が重要である。BZ誘導体の正孔輸送特性と分子動力学計算から、分子パッキングと外因性正孔トラップ形成の関係を検討した。BZCzはトラップフリーな正孔輸送を示す一方、エネルギー準位が近いBZCz2では高いトラップ密度と大きなボイドの高い数密度を示した。以上より、ボイド形成の抑制が外因性正孔トラップ低減に重要である。S6-2 10:20 ~ 10:35
要旨
単一のインドロカルバゾール前駆体から、競合的な反応経路を利用したワンポットボリル化反応により、構造の異なる3種のMR-TADF発光体を同時合成した。DFT計算により生成物分岐機構を考察した。得られた発光体は、緑色から赤色にわたる高効率狭帯域TADF発光を示し、OLEDで30%を超える最大外部量子効率を達成した。単一の分子プラットフォームから複数の発光体を創出する新たな材料設計戦略を提示した。10:35 ~ 10:45 休憩 ( 10分 )
S7:光劣化/ラジカル材料
S7-1 10:45 ~ 11:05
要旨
OLED劣化過程で生成するカルバゾール付加体(mCBP-Cz)の影響を検討するため、合成したmCBP-Czをホスト材料へ添加した素子を評価した。2 wt%以下ではデバイス性能への有意な影響は認められなかった。また、添加濃度既知の素子を用いたTOF-SIMS解析により、LT25時点でのmCBP-Cz生成量を約0.33 wt%と推定し、劣化生成物の半定量評価法としての有用性を示した。S7-2 11:05 ~ 11:25
要旨
代表的な有機発光ラジカルであるtris(2,4,6-trichlorophenyl)methyl radical (TTM)は、溶液中の光照射によって容易に劣化する一方、ドナー性置換基を付与して電荷移動(DA)型にすると劣化が著しく抑えられることが知られている。本研究ではTTMラジカルとDA型TTMラジカルの光劣化機構を検討した。その結果、TTMの耐久性の向上は光劣化のパスである環化反応がDA型に伴い、発熱過程から吸熱過程へと変化したためであることが示唆された。S7-3 11:25 ~ 11:45
要旨
Tris(2,4,6-trichlorophenyl) methyl (TTM)ラジカルをはじめとする発光ラジカルは主に赤色-近赤外発光を示す発光材料として注目を集めている。優れた光学特性と光安定性を有する TTM 誘導体は、有機 EL、バイオイメージング、量子技術など多岐にわたる分野への応用が期待されている。本研究では、TTM を基盤とした水溶性発光ラジカルの設計・合成を行い、蛍光イメージングおよび核磁気共鳴イメージングへの応用を実証した。11:45 ~ 13:15 昼食 ( 90分 )
S8:材料/界面
S8-1 13:15 ~ 13:35
要旨
We demonstrate that positional isomeric hosts tune HOMO energy alignment in blue HF-OLEDs and transient electroluminescence measurements confirm that suppressing hole accumulation at host interfaces reduces device degradation while maintaining a high EQE (~25%).S8-2 13:35 ~ 13:55
要旨
高輝度・高精細・狭額縁パネルを実現する低分子・高分子ハイブリッド正孔注入層(HIL)インクを開発した。溶媒系を変えることなく固形分の混合比を調整し、30~120 nmの範囲で平坦な膜を形成することが可能となる。厚膜用インクでは固形分濃度7 wt%で7.3 cPの低粘度を実現し、溶媒設計によりパネル端部と中央部の膜厚・膜形状の差を低減した。本研究は、自在な膜厚設計、低粘度化、ムラ抑制を実現するインクジェットOLED用インクの設計指針を示す。S8-3 13:55 ~ 14:15
要旨
IoT機器が広く分散配置される社会では、限られた設置面積で機器を駆動するため、電力変換・制御回路を簡略化できる高電圧自立電源が求められる。本研究では、単接合有機太陽電池(OPV)で約2 Vの高い開放電圧を示す2種類の材料系を組み合わせた2接合タンデムOPVを作製し、3.8 Vの開放電圧を実現した。さらに、中間接続層形成時の仕事関数変化を回転型Kelvin Probeにより評価し、Al挿入がサブセル間の電気的接続に果たす役割を検討した。S8-4 14:15 ~ 14:35
要旨
発光・発電材料への効率的な正孔注入には高仕事関数(Φ)電極が重要と考えられてきた。本研究では、Al/アクセプター高Φ電極を用いたOLED評価とLEIPS測定から、正孔注入特性がΦのみでは説明できず、アクセプターの電子親和力(EA)、特にAlからの電荷移動後のanionic状態のEAが重要な支配因子であることを示した。14:35 ~ 14:45 休憩 ( 10分 )
S9:光機能新材料
S9-1 14:45 ~ 15:05
要旨
通信赤外領域の通信波長における吸収低減と高い分子超分極率の両立を狙い、量子化学計算に基づいて新規EO色素IDE01、IDE02を設計し合成評価した。両色素を用いたEOポリマーは、1310 nm・1 MW/cm²、85℃大気中の無封止試験で従来色素NEO823より高い耐光性を示した。SOH変調器のVπLはIDE01で11.4 V·mm、IDE02で9.9 V·mmであり、高耐光性と高変調効率の両立可能性を示した。S9-2 15:05 ~ 15:25
要旨
量子ドット(Quantum Dot: QD)は,TVやモニターなどの広色域ディスプレイ向けの色変換材料として広く使用されている.近年,より広い色域とより高い輝度が必要とされる車載用ディスプレイ向けとしてQDは注目を集めている.本研究では,QDの精密なサイズ制御による波長最適化や光学特性シミュレーションを実施し,車載用途におけるQDの優位性を示す.S10:ショート口頭発表
S10-1 15:25 ~ 15:30
要旨
量子ドット(Quantum Dot: QD)は,直径数nm~数十nmサイズの半導体粒子であり,粒子径に応じてバンドギャップを連続的に変化させることで,可視光領域では青から赤まで望む波長の光を光励起により高量子収率で取り出せる.本発表では,ディスプレイ用途で使われるQDの技術動向として,基礎的な合成手法から実際のディスプレイ内部でQDの劣化を防ぐための技術として近年開発がなされているQD enhancement film(QDEF)並びにQD Plate(QDP)の紹介を行う.S10-2 15:30 ~ 15:35
要旨
三重項三重項アップコンバージョン(TTU)は有機発光ダイオード(OLED)の発光効率向上に有効な機構であるが、電流励起下における励起子拡散とTTUとの関係は十分に理解されていない。本研究では、アップコンバージョン型OLEDを用い、ドナー/アクセプタ界面での励起子生成条件を一定とし、発光層内におけるTTU材料の分子間距離を制御することで、励起子拡散がTTUに与える影響を系統的に評価した。S10-3 15:35 ~ 15:40
要旨
重金属フリーでの水中近赤外光アップコンバージョン(NIR-PUC)において、「フィルム分散法」により作製したナノ粒子の構造と特性を評価した。TEM観察により、本手法のナノ粒子が薄膜段階の二層構造を維持していることを見出した。この二層構造によりドナー/アクセプター界面での失活が著しく抑制され、785 nm励起下でPUC効率0.17%、水中NIR-PUCで最小級の閾値光強度23 mW/cm2を達成した。閉会
15:40 ~ 15:45 閉会の辞
ポスター討論
【講演形式について】本討論会における各講演発表は下記①~⑤のいずれかの講演形式で行います。
①特別講演(40分)
②特別セッション(30分)
《一般講演》
③一般口頭発表(20分:質疑応答含む)とポスター討論(70分)
④ショート口頭発表(5分:質疑なし)とポスター討論(70分)
⑤学生口頭発表(15分:質疑応答含む)とポスター討論(70分)
【ポスター討論について】講演者と参加者の討論を促すため、一般講演における筆頭発表者が講演会終了後に参加者と討論する場(ポスター討論)を設けます。余裕のある時間とリラックスした雰囲気の中で行われる活発な討論に是非ご参加ください。
【企業展示】法人会員9社による展示ブースを設けます。
【交流会】1日目の例会終了後に交流会を開催します。
【講演奨励賞対象者について】一般口頭発表およびショート口頭発表における35歳以下の筆頭発表者が講演奨励賞の対象になります。
【学生講演奨励賞対象者について】学生口頭発表における筆頭発表者が学生講演奨励賞の対象になります。
