講演情報

[AO-01]薬剤師によるオーバードーズのゲートキーパー活動の実態と障壁の同定

永島 一輝, 関根 祐子 (千葉大学 大学院薬学研究院)
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【目的】厚生労働省により、薬剤師に対してオーバードーズ(OD)のゲートキーパーとしての活動が求められているが、活動に関する具体的なエビデンスは少ない。そこで、薬剤師によるゲートキーパー活動の実態や、活動の障壁および必要となる因子を同定することを目的とした。
【方法】千葉県薬剤師会に所属する薬剤師を対象に、Google formsを用いた質問紙法で調査し(n=431)、関連する因子を統計的に抽出した。
【結果】ODが疑われる患者への介入経験がある薬剤師 (n=100)では、ゲートキーパーとしての原則である気付き(100%)、傾聴(51%)、つなぎ(26%)、見守り(17%)のみならず、薬剤師の職能である「疑義照会(51%)」や「手渡す薬剤の制限や調整(数量)(20%)」などを介して、ゲートキーパー活動を行っていた。また、全体の80%以上の薬剤師が、薬剤師自身が自殺やODのゲートキーパーとなりうると回答していた。多変量ロジスティック解析の結果、薬剤師によるODのゲートキーパー活動における障壁として、活動に対する「保険点数が無いこと」(AOR: 2.67, 95% CI: 1.47-4.84, p<0.05)が同定された。一方で、ゲートキーパーとして活動する際に必要となるものは、「介入の判断基準」 (AOR: 0.41, 95% CI: 0.24-0.70, p<0.05) と「技術や技能」 (AOR: 2.10, 95% CI: 1.19-3.68, p<0.05) が関連していた。介入の判断基準は、介入をしたことがある薬剤師(70.0%)よりも、介入をしたことが無い薬剤師(81.9%)で、有意に必要であると回答していた(p<0.05)。
【考察】本研究により、薬剤師の職能がゲートキーパーとしての活動に生かされている実態が明らかになった。現時点では、ゲートキーパー活動は職能の社会的活用の一環として行われているが、保険点数などの経済的な支援が付加されることにより、ゲートキーパーとしての活動の後押しとなる可能性があり、学会等を挙げたエビデンス構築が望まれる。

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