講演情報

[AO-03]保険薬局における錠剤嚥下障害の実態把握-PILL-5日本語版による後ろ向き検討-

市川 雅裕1, 津田 紗恵子1, 紙名 麻有1, 浪花 晃代1, 彼杵 隆2 (1.クオール(株)かつはら薬局大江島店, 2.(7-1)事業部)
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【目的】高齢化に伴い、嚥下機能低下による服薬アドヒアランス低下が課題となっている。保険薬局は患者の服薬実態を把握しやすい立場にあるが、錠剤嚥下困難の客観的評価は十分ではない。本研究では、PILL-5日本語版を用い、薬局来局患者における錠剤嚥下困難の実態を明らかにし、適切な服薬支援体制構築の基礎資料を得ることを目的とした。
【方法】2025年12月に、かつはら薬局大江島店に来局した20歳以上の患者のうち、薬歴にPILL-5日本語版の記録がある患者を対象に後方視的解析を行った。評価項目はPILL-5各スコア、年齢、性別、服用薬剤数とした。主要評価項目は、原版および日本語版の妥当性検証研究で用いられ臨床的意義が確立している基準に基づき、いずれか1項目で2点以上を示す「嚥下困難予備軍」の割合とした。
【結果】解析対象は428名(年齢中央値76歳、服用薬数中央値3剤)であった。予備軍は33名(7.7%)、合計6点以上は6名(1.4%)であった。項目別では「喉につかえる感」が最多であった。服用薬剤数別では5剤以上群で予備軍の割合が高い傾向がみられた。
【考察】薬局来局患者の約8%に潜在的な錠剤嚥下困難が存在することが示唆された。予備軍割合(7.7%)およびPILL-5合計6点以上の割合(1.4%)は、Otsuboらの報告(13.8%、2.9%)より低値であったが、保険薬局の日常業務においても定割合の潜在的リスク患者が存在することが明らかとなった。実際に、本スクリーニングを契機として剤形変更提案、歯科受診勧奨および処方提案につながった症例を認めたことから、PILL-5は患者や家族が気づいていない嚥下障害を早期に把握し、処方提案や多職種連携へつなげる起点となり得る。以上より、保険薬局においてPILL-5を用いた継続的なスクリーニングを日常業務へ組み込み、その結果を医師・歯科医師等へフィードバックする地域連携体制の構築が重要と考えられた。

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