講演情報

[AP-06-A]抗認知症薬の適正使用を促進する薬剤師教育プログラムの開発―薬局薬剤師の行動変容への寄与―

原 智子1, 佐藤 聡太2, 飯田 誠之3, 安藤 健皓4, 上地 まどか5 (1.(株)クリエイトエス・ディー クリエイト薬局八王子堀之内店, 2.お薬相談・医薬情報室, 3.運営五課4エリア, 4.クリエイト薬局横浜別所店, 5.人事本部 採用教育部 教育課)
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【目的】抗認知症薬の有効性確立には維持量への漸増が必須であるが、自社調査では約3割の症例が処方意図不明のまま維持量未満に留まっていた。背景には、現場薬剤師がADL変化から認知症の重症度を評価するなどの動的臨床判断を行えず、介入を躊躇する現状が示唆された。そこで客観的評価指標の導入を核とした教育プログラムを開発し、薬剤師の心理的障壁の軽減や処方提案等の行動変容に与える影響を検証した。
【方法】当社薬剤師を対象に介入前後比較研究を実施した。「認知症の重症度とADLの連動」を示した評価指標と、病態を可視化する「生活のご様子確認票」等のツール提供を主たる介入とした。約3ヶ月の実践前後に無記名調査を行い、前後でIDが一致した42名を解析対象とした。主観的評価(1:そう思う~5:そう思わない、5段階尺度)、介入実績(1人あたり件数)等の変化をWilcoxonの符号付順位検定を用いて解析した。
【結果】介入により、認知症対応への困難感や処方妥当性判断の難しさが有意に軽減された。医師へのアプローチ件数は平均0.14件から0.45件(うち増量提案は0.07件から0.31件)、患者および家族へのアプローチ件数は平均0.24件から0.79件へと、いずれも有意な増加を示した(p<0.05)。また、介入後には「生活のご様子確認票」が平均0.29件活用された。一方、多職種へのアプローチ等においては、有意な差は認められなかった。自由記載では、本ツールの活用意向に関する記述が20件と最も多く認められた。
【考察】本指標の導入は薬剤師の臨床判断を助け、認知症対応への心理的障壁を有意に軽減させた。介入実績の増加は、本プログラムが薬剤師の業務を「安全性の確認」から「能動的な薬学的介入」へと変容させるアプローチであることを示唆している。しかしながら、多職種連携への効果は限定的であり、本指標を共通ツールとして定着させ、連携を促進することが今後の課題である。

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