講演情報

[AR-06-B]認知症簡易スクリーニングにより認知症治療へ貢献した事例

加藤 友麻 (クオール(株)ハシモト薬局三笠店)
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【はじめに】認知症基本法では、認知症の早期発見・早期対応の重要性が掲げられており、薬剤師には日常業務を通じた認知機能低下の気づきと、医療機関への適切な情報提供による連携が求められている。今回、薬局薬剤師の観察と認知症簡易スクリーニングの活用、および医師への継続的な情報提供により、アルツハイマー型認知症の診断・治療開始に至った症例を経験したので報告する。
【症例概要】 腸捻転術後にてんかんと診断された70代女性。来局時に妄想・幻視および異常行動が観察され、付き添いの夫からは入院前より「テレビと現実の混同」や「意欲低下」があったとの情報を得た。認知症の併存を疑い、家族の同意のもと認知症簡易スクリーニング法(TOP-Q)を実施したところ、問診スコア3点(認知症の可能性あり)かつ振り向き徴候陽性(認知症の可能性が強い)があった。これらを書面で医師へ情報提供したが、初回は処方変更に至らなかった。2か月後の来局時、患者自身が薬剤を廃棄し服用を中断していたことが判明し、異常行動も継続していたため、再度、書面と電話で医師へ情報提供を行った。その結果、CT検査が施行され、中等度アルツハイマー型認知症と診断された。レベチラセタムの継続に加え、ガランタミンおよびメマンチンによる認知症治療が開始された。
【考察】 本症例では、家族からの生活情報とTOP-Qによる客観的評価を組み合わせることで、てんかんや術後せん妄とは異なる認知症の可能性を見出し、医師への提案につなげることができた。診断時にはすでに中等度まで進行していたものの、薬剤師の継続的な気づきと粘り強い情報提供が診断・治療介入の契機となった。本症例は、薬局における認知症スクリーニングの実践と医療機関との連携が早期介入に寄与しうることを示唆する。今後は服薬管理の支援に加え、BPSDへの対応や介護サービスの導入など、多職種連携を含めた包括的な支援体制の構築が課題と考える。

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