講演情報

[DS3]認知症診療の最前線:薬剤師の気づきが治療を変える~最新ガイドラインのアップデートと評価ツールの利活用~

和田 健二 (川崎医科大学認知症学 主任教授)
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超高齢社会の進展に伴い、認知症患者の薬物療法管理は薬剤師にとって日常的な業務となっている。2026年度に改訂された「認知症疾患診療ガイドライン 2026」では、抗アミロイド β 抗体薬による治療やバイオマーカーを用いた早期診断の重要性がより強調されるに至った。
本セミナーでは、最新ガイドラインの知見を整理するとともに、薬剤師が「気づき」を「評価・介入」へとつなげるための具体的プロセスを概説する。認知症の早期発見において、服薬指導時の会話から得られる「小さな変化」は極めて重要なサインである。薬剤師には、この主観的な「気づき」を、MMSE や HDS-R、あるいは生活機能を同時に評価できる DASC-21 などの評価ツールを用いて客観的な「指標」へと変換し、医師へフィードバックする役割が求められる。これにより、質の高いトレーシングレポートを通じた多職種連携が可能となる。
また、最新ガイドラインでは BPSD に対する薬物療法の位置づけも改訂され、非薬物療法の優先と抗精神病薬の適正使用がより厳格化された。薬剤師には、処方設計への積極的な提案に加え、薬剤起因性認知機能障害の除外という「門番」としての役割がこれまで以上に期待されている。
知識をアップデートした上で、ポリファーマシーの解消と服薬アドヒアランスの確保の両立を目指すことは、薬剤師の重要な責務である。本セミナーを通じて、明日からの臨床現場で「認知症の良き理解者・相談者」として機能するための視座を提示したい。


【略歴】
1992年 鳥取大学医学部医学科卒業
1997年 鳥取大学大学院医学系研究科生理系専攻博士課程修了
2002年 鳥取大学医学部附属病院 講師(高次集中治療部)
2007年 鳥取大学医学部附属病院 講師(神経内科)
2019年 川崎医科大学認知症学 主任教授 現在に至る

所属学会
日本認知症学会(理事)、日本神経学会(認知症疾患診療ガイドライン作成委員会委員長)、日本内科学会(中国支部評議員)、日本神経治療学会(評議員)、日本老年医学会(代議員)、日本自律神経学会(評議員)、日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(評議員)、日本老年精神医学会(理事)

受賞歴
日本認知症学会学術奨励賞(2007 年)
日本神経治療学会治療活動賞(2014 年)

ガイドライン作成委員会委員
認知症疾患治療ガイドライン 2010
認知症疾患診療ガイドライン 2017
認知症疾患診療ガイドライン 2026

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